スレイター行列式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/31 02:44 UTC 版)
スレイター行列式(スレイターぎょうれつしき、英: Slater determinant)とは、フェルミ粒子からなる多粒子系の状態を記述する波動関数を表すときに使われる行列式である。この行列式は2つの電子(または他のフェルミ粒子)の交換に関して符号を変化させることによって反対称性の必要条件と、その結果としてパウリの排他原理を満たす[1]。名称は1929年に波動関数の反対称性を保証する手段としてこの行列式を導入した[2]ジョン・クラーク・スレイターに因むが、この行列式の形式での波動関数はそれより3年前にハイゼンベルク[3]とディラック[4]の論文において最初に独立に登場していた。
- ^ Molecular Quantum Mechanics Parts I and II: An Introduction to QUANTUM CHEMISTRY (Volume 1), P.W. Atkins, Oxford University Press, 1977, ISBN 0-19-855129-0
- ^ Slater, J.; Verma, HC (1929). “The Theory of Complex Spectra”. Physical Review 34 (2): 1293–1322. Bibcode: 1929PhRv...34.1293S. doi:10.1103/PhysRev.34.1293. PMID 9939750.
- ^ Heisenberg, W. (1926). “Mehrkörperproblem und Resonanz in der Quantenmechanik”. Zeitschrift für Physik 38: 411–426. Bibcode: 1926ZPhy...38..411H. doi:10.1007/BF01397160.
- ^ Dirac, P. A. M. (1926). “On the Theory of Quantum Mechanics”. Proceedings of the Royal Society A 112: 661–677. Bibcode: 1926RSPSA.112..661D. doi:10.1098/rspa.1926.0133.
- 1 スレイター行列式とは
- 2 スレイター行列式の概要
- 3 複数スレイター行列式
- 4 スレイター行列式と第二量子化
- 5 参考文献
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