超硬度ナノチューブ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/21 18:11 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動超硬度ナノチューブ(ちょうこうどナノチューブ、Superhard phase composed of single-wall carbon nanotubes 略称:SP-SWNT,SP-SWCNT)は単層カーボンナノチューブ(SWNT)を高圧下で圧縮して生成される物質。ダイヤモンドと同程度の硬さを持つ導電体。
性質
ナノインデンター硬度測定法を用いた硬さは62-150GPaで圧力によって異なる。これは同法を用いて測定されたダイヤモンド(100)面の150GPaから立方晶窒化ホウ素(100)面の62GPaの間の硬さである。よって最大値はダイヤモンドと同程度の硬さと言える。圧縮率は462-546GPaであり、ダイヤモンドの420GPaを超える。[1]
なお、SP-SWNTの熱伝導率や電気伝導率などの特性は研究途上で不明であり、単層カーボンナノチューブ以外のカーボンナノチューブ(MWNTや高純度配向性CNT)を用いた特性も不明である。 同種の製法によって生み出された関連物質にハイパーダイヤモンドなどがある。
作製法
カーボンナノチューブを用いて製作される。研究では1.2-1.3 nmのSWNT試料が用いられ、歪み変形が可能なダイヤモンドアンビルセルを用いて54GPaまで常温圧縮している。SP-SWNTは14-19GPaより圧力ギャップによる中間相が発生し、24GPa以上より硬度相が生成される。[2]
脚注
- ^ 産業技術総合研究所 ナノチューブを利用して新超硬度相カーボンプレートの合成に成功
- ^ M. Popov et al. (2002). “Superhard phase composed of single-wall carbon nanotubes” (free download PDF). Phys. Rev. B 65: 033408. doi:10.1103/PhysRevB.65.033408 .
関連項目
- 炭素の他の同素体:グラファイト - フラーレン - ダイヤモンド - カーボンナノチューブ - カーボンナノホーン - - ナノグラフェン - グラフェンナノリボン - ナノカーボン
- ナノテクノロジー
- 超硬度材料
- ハイパーダイヤモンド
- ロンズデーライト
外部リンク
- 世界最初の超硬度ナノチューブ! (産業技術総合研究所、2003年2月26日) - archive.is (2013年5月1日アーカイブ分)
- 超硬度ナノチューブのページへのリンク