軌道 (力学系)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/18 05:20 UTC 版)
力学系における軌道(きどう)とは、初期条件に対して時間発展のルールを適用したときに定まる、相空間上の点の集合である。連続的な時間を仮定した系だと、軌道は相空間内で一本の曲線となり、離散的な時間を仮定した系だと、軌道は相空間内で点列となる。
定義
一般
力学系を定める相空間を X、時間を G、時間発展のルールを ϕ: G × X → X とする。ある t ∈ G に固定したときの ϕ を写像 ϕt と表し、X ∋ x ↦ ϕt(x) ∈ X である。G は結合法則 t1 + t2 (t1, t2 ∈ T) で表される群構造を持ち、ϕt は、
二次元離散力学系の軌道の例。実部が正の複素固有値を持つ線形系で、渦状源点型の軌道すなわち回転しながら原点から離れていく軌道を取る。軌道は相平面上の点列となる(点をつなぐ矢印は補助のために示されている)。 離散力学系は写像の反復によって定義される[24]。相空間上のある点 x0 ∈ M に写像 f: M → M を繰り返し適用することで、x0, f (x0), f 2(x0), … f n(x), … という点列が得られる。点列は x0, x1 = f (x0), x2 = f 2(x0), … xn = f n(x0), … とも表す[25]。この点列が離散力学系の軌道である[25]。多くの力学系で f は連続写像である[26]。
例えば、ℝ 上の正弦関数 f(x) = sin(x) で定義される離散力学系を考える。x0 = 123 とすると、
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