NGC 4522とは? わかりやすく解説

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NGC 4522

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/10/08 10:08 UTC 版)

NGC 4522
ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラがとらえたNGC 4522。
星座 おとめ座
見かけの等級 (mv) 12.1[1]
視直径 3.95′ × 0.84′[2]
分類 SB(s)cd?[2]
位置
元期:J2000.0[2]
赤経 (RA, α)  12h 33m 39.6765s[2]
赤緯 (Dec, δ) +09° 10′ 29.254″[2]
赤方偏移 0.007769[2]
視線速度 (Rv) 2329 km/s[2]
距離 5,430万光年
(16.66 Mpc)[2]
物理的性質
直径 6万6,000光年
(20.35 kpc)[2]
他のカタログでの名称
UGC 7711、PGC 41729、CGCG 070-129、MCG+02-32-137、VCC 1516、Z 70-168[2]
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NGC 4522は、地球からおとめ座の方向に、約5,400万光年離れた位置にある棒渦巻銀河である。おとめ座銀河団に属する銀河であり、付近にはM49やNGC 4535(英語版)などの銀河が分布する。NGC 4522は、ジョン・ハーシェルによって1828年1月18日に発見された[3]。

特徴

真横を向いた(エッジオン)銀河であり、天球面に対する銀河円盤の傾きは約79度に上る[4]。おとめ座銀河団の中を時速1,000万km以上で突き進んでいるため、銀河団ガスからラム圧を受けて銀河円盤のガスがはぎ取られている[5][6]。この環境効果は、恒星円盤からずれて分布する中性水素ガスや分子ガスの特定などにより裏付けられている[4]。しかし、M87までの見かけの距離が約330万光年であることを考慮し、銀河団ガスが静的で一様な分布を示すと仮定すると、NGC 4522の位置で想定されるガスのはぎ取りの力は、実際に観測されたガスの分布のずれを引き起こすのに十分ではない。天文学者は、M49とM49の周囲に存在する銀河がおとめ座銀河団の中心に落ち込んでいる影響で、銀河団ガスがかき乱され、NGC 4522に作用するラム圧が局所的に高められたと推定している[7][8]。

ガスがはぎ取られているため、恒星円盤に対してガス円盤は縮小している。そのため、銀河円盤の内側では活発な星形成が起きているが、銀河円盤の外側では星形成が停止(クエンチ)している。新たに誕生した星団の中には、はぎ取られたガスのフィラメント内で形成されたものもある。こうした星々は、将来的にNGC 4522の銀河ハローに取り込まれるか、宇宙空間に放出されると考えられている[6]。

銀河の北東領域には、湾曲して銀河円盤外まで伸びる連続したダストレーンが存在する。この構造は「The dust upturn」と呼ばれ、帯状に分布する若い星々と少数のHII領域を含む。南西領域にも、多数の若い星々とHII領域を含む腕構造が存在する[9]。

NGC 4522は、BC6として知られるブルー・ブロブ(英語版)の前駆天体として有力視されている。ブルー・ブロブは、銀河間空間を漂う、星形成領域を含む塊状構造であり、親銀河からはぎ取られたガスを起源としている[10]。NGC 4522はBC6と似た金属量を示し、かつ、ガスがはぎ取られている方向はBC6が存在する方向と一致する。しかし、両者の運動学的な分離を説明できないなど、BC6の前駆天体として立証するうえでいくつかの課題も残されている[11]。

出典

  1. ↑ Hartmut Frommert. “Revised NGC Data for NGC 4522”. Spider's Homepage. 2026年10月8日閲覧。
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 “Results for object NGC 4522”. NASA/IPAC Extragalactic Database. 2026年10月8日閲覧。
  3. ↑ Courtney Seligman. “NGC 4522 (= PGC 41729)”. Celestial Atlas. 2026年10月8日閲覧。
  4. 1 2 Lee, Bumhyun; Chung, Aeree (2018年10月). “The ALMA Detection of Extraplanar 13CO in a Ram-pressure-stripped Galaxy and Its Implication”. The Astrophysical Journal Letters 866 (1): 1-6. arXiv:1810.04188. Bibcode:2018ApJ...866L..10L. doi:10.3847/2041-8213/aae4d9.
  5. ↑ ソラノサキ (2026年10月7日). “銀河団ガスから受ける強烈な“向かい風” ハッブル宇宙望遠鏡が観測した「NGC 4522」”. sorae 宇宙へのポータルサイト. 2026年10月8日閲覧。
  6. 1 2 Kenney, Jeffrey D. P.; Koopmann, Rebecca A. (1999年1月). “Ongoing Gas Stripping in the Virgo Cluster Spiral Galaxy NGC 4522”. The Astronomical Journal 117 (1): 181-189. arXiv:astro-ph/9812363. Bibcode:1999AJ....117..181K. doi:10.1086/300683.
  7. ↑ Kenney, Jeffrey D. P.; Gorkom, J. H. van; Vollmer, B. (2004年6月). “VLA H I Observations of Gas Stripping in the Virgo Cluster Spiral NGC 4522”. The Astronomical Journal 127 (6): 3361-3374. arXiv:astro-ph/0403103. Bibcode:2004AJ....127.3361K. doi:10.1086/420805.
  8. ↑ Vollmer, B. et al. (2006年7月). “A dynamical model for the heavily ram pressure stripped Virgo spiral galaxy NGC 4522”. Astronomy and Astrophysics 453 (3): 883-893. arXiv:astro-ph/0603854. Bibcode:2006A&A...453..883V. doi:10.1051/0004-6361:20064954.
  9. ↑ Abramson, A. et al. (2016年8月). “HST Imaging of Dust Structures and Stars in the Ram Pressure Stripped Virgo Spirals NGC 4402 and NGC 4522: Stripped from the Outside In with Dense Cloud Decoupling”. The Astronomical Journal 152 (2): 1-21. arXiv:1604.01883. Bibcode:2016AJ....152...32A. doi:10.3847/0004-6256/152/2/32.
  10. ↑ “銀河から遠く離れた銀河間空間で若い星の集団を発見! 銀河から剥ぎ取られたガス雲で生まれた!?”. アストロピクス (2022年6月22日). 2026年10月8日閲覧。
  11. ↑ Jones, Michael G. et al. (2024年5月). “Dark No More: The Low-luminosity Stellar Counterpart of a Dark Cloud in the Virgo Cluster”. The Astrophysical Journal 966 (1): 1-12. arXiv:2402.14909. Bibcode:2024ApJ...966L..15J. doi:10.3847/2041-8213/ad3ef5.

関連項目

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