Mumbaiとは? わかりやすく解説

ムンバイ

(Mumbai から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/10 16:58 UTC 版)

ムンバイ
मुंबई
Mumbai
位置
ムンバイの位置の位置図
ムンバイの位置
位置
ムンバイの位置(マハーラーシュトラ州内)
ムンバイ
ムンバイ
ムンバイ (マハーラーシュトラ州)
ムンバイの位置(インド内)
ムンバイ
ムンバイ
ムンバイ (インド)
地図
座標 : 北緯18度57分53秒 東経72度49分33秒 / 北緯18.96472度 東経72.82583度 / 18.96472; 72.82583
行政
国 インドの旗 インド
 州 マハーラーシュトラ州
 県 ムンバイ市街県
 市 ムンバイ
市長
市政長官
リトゥ・タウデ(英語版)(BJP)
アシュウィニ・ビデ(英語版)
地理
面積  
  市域 603.4 km2
  都市圏 6328 km2
標高 14 m (46 ft)
人口
人口 (2011年現在)
  市域 12,442,373人
  都市圏 23,598,000人
  備考 [1]
その他
等時帯 IST(インド標準時) (UTC+5:30)
Pincode 400 xxx
市外局番 +022
ナンバープレート MH 01 - 03
公式ウェブサイト : https://mumbaicity.gov.in/

ムンバイ(マラーティー語: मुंबई, IPA: [mum.bəiː]、英: Mumbai)は、インドの西海岸に面するマハーラーシュトラ州の州都であり、ムンバイ市街県の都市である。

インド第2の規模を有する大都市圏の中心都市であり[2]、首都デリーと共に南アジアを代表する世界都市の一つである。和名は孟買。

名称

1995年、シヴ・セーナー(SS)とインド人民党(BJP)の連立州政府の下で、英語での公式名称がボンベイ (Bombay) から、現地語(マラーティー語)での名称にもとづくムンバイへと変更された[3][注釈 1]。

2016年2月、英紙インディペンデントのアモル・ラジャン編集長は、「ムンバイ」という名称への変更をヒンドゥー・ナショナリズムと関連づけ、同紙では旧称「ボンベイ」を使用する方針をBBCラジオで表明した[4]。

概要

ムンバイ市域人口は2011年インド国勢調査で1,244万人である[1]。ムンバイ新市街として建設されたナビムンバイ(新ボンベイ)やムンバイの衛星都市として発展してきたターネーなど周辺の大都市をも含めたムンバイ都市圏(Mumbai Metropolitan Region、MMR)の人口は、同国勢調査で2,359.8万人であり、6,328 km²に及ぶ巨大な大都市圏を形成している[1]。人口の増加は、2035年までに700万人以上が増加すると予想されており、現状でも住宅や道路、上・下水道などのインフラの整備が追い付かない状況が、今後さらに悪化すると見られている[5]。

ムンバイは世界都市の一つであり、インドを代表する金融センターでもある。2026年3月に公表されたグローバル金融センター指数(GFCI 39)では、世界52位と評価されている[6]。天然の良港に恵まれていることもあり、インドの海上輸送における重要な港湾都市でもある。

ムンバイは国内随一の商業及び娯楽の中心都市である。国際金融フローにおいては、アジア有数の金融センターとして、インド準備銀行、ボンベイ証券取引所、インド国立証券取引所といった官民の金融機関をはじめ、多くのインド企業の本社や多国籍企業の主要拠点が置かれる。ビジネス機会が豊富なムンバイには、より大きな事業機会や比較的高い生活水準を求め国内各地から多くの人が集まり、様々な宗教・文化の集積地ともなっている。

ムンバイ中心部

歴史

主要記事:History of Mumbai
カーンヘーリー石窟群の仏像
ジョーゲーシュワリー石窟

ムンバイの歴史は古く紀元前までさかのぼる。紀元前3世紀にはマウリヤ朝の支配下にあり、その後、複数の王朝・勢力の支配を経てきた[7]。

1534年にグジャラート・スルターン朝のバハードゥル・シャーからこの地域を譲り受けたポルトガルが、ゴアの補助港としてこの地を支配し、「Bombaim」と呼んだ[7]。「ムンバイ」という名は、地元で信仰される女神ムンバデーヴィー(Mumbadevi)に由来するとされる。当時は北からパレル、マヒーム、ウォルリ、マザガオン、ボンベイ、小コラバ、コラバの7つの島からなっていた。

1661年、ポルトガルのカタリナ王女がイギリスのチャールズ2世と結婚する際、ボンベイは持参金としてイギリス側に譲渡されることとなった。実際の引き渡しは遅れたものの、1665年にイギリス側がボンベイを占有した[8]。1668年、英国王家はこれを年間10ポンドでイギリス東インド会社に貸し付けた[8]。その植民地時代にはボンベイ管区の中枢として、城塞の中に公会堂・税関などさまざまなイギリス風の施設が建設された。1687年には東インド会社がインドにおける主要拠点をスーラトからボンベイへ移し、ボンベイはイギリスのインドにおける重要な商業拠点となった[7]。

ハジアリ廟
英雄シヴァージー銅像

スーラトから東インド会社の海軍が移され、ボンベイ海軍と名付けられた。ボンベイ海軍はインド洋の海賊討伐を行い、また1735年にはスラトから造船所もボンベイに移転した。こうして、18世紀末にはインド最大の造船業を持つようになったボンベイはインドの西海岸における海運や貿易の要衝となっていった[9]。ボンベイ海軍は1830年にインド海軍と改称され、1863年にイギリス海軍に統合され消滅するまでボンベイを拠点とし続けた。こうしてボンベイが重要性を増していくにつれ、すこしずつ島の間の埋め立てが進められて市街地として発展した。18世紀以降にはホーンビー・ヴェラード(Hornby Vellard)などの大規模な干拓事業が進められ、1817年から1845年にかけて行われた一連の干拓によって島々が接続されていった[7][10]。

1820年代に入ると、汽船の航行能力が向上したことによりイギリス・インド間の汽船航路開設が叫ばれるようになった。この航路をめぐってはカルカッタ財界の支持する喜望峰ルートとボンベイ財界の支持するスエズ地峡ルートの間で競争となったが、結局ボンベイの推すスエズルートが勝利して、1837年にスエズとの間に定期蒸気船航路が開設されるようになった[11]。これによってボンベイはインドの玄関口となり、以降インド最大の貿易港として発展していった。1854年には東インド会社に代わりP&O社がボンベイ・スエズ航路を担当することとなった。1853年にはボンベイと北郊の都市ターナー(現在のターネー)との間にインド初の旅客鉄道が開通し、やがてインド全土に張り巡らされた鉄道によってボンベイは貿易港としてますます発展していった[12]。1850年代には綿紡績工業が発達し、多くの綿紡績工場が建設され、この地の産業を大きく発展させた。とくに1861年 - 1865年のアメリカ南北戦争では、アメリカからイギリスへの綿花供給が減少したことからインド綿への需要が高まり、ボンベイの綿花貿易や綿工業は大きく発展した。1869年のスエズ運河開通によってボンベイは直接ヨーロッパと結ばれることとなり、ボンベイ港の重要性はさらに高まった[7]。

ポルトガルの城塞
オリエンタル・バンクと株取引所

ボンベイ財界はカルカッタやマドラス財界と異なり、綿織物工業を基盤としたインド人資本家が多数存在した。ジャムシェトジー・タタが拠点としたのもボンベイである。1903年にはタタの手によってタージマハル・ホテルが建設され、世界有数の高級ホテルとなった。こうしたインド人による経済の発展は労働運動や民族運動をも生み出し、インド国民会議の第1回大会も1885年にボンベイにて行われ、以後も活発な民族運動が行われた[13][14]。

20世紀、二度の世界大戦を通じてボンベイはインドを代表する商工業都市の一つとなり、1947年のインド独立後もボンベイ州の州都として発展を続けた。インド独立に際しては、ティラクやマハトマ・ガンディーらの民族運動の拠点ともなった。1942年にはボンベイのゴワリア・タンク・マイダン(現在のアウグスト・クランティ・マイダン)がクイット・インディア運動の主要な舞台となった[7]。

しかしインド政府が言語ごとに州を再編する、いわゆる言語州の政策を打ち出すと、ボンベイの帰属が問題となった。ボンベイ自体は歴史的に西のデカン高原地域とのつながりが深かったものの、ボンベイ市におけるデカン高原地域のマラーティー語を話す住民は4割にすぎず、残りは非マラーティー語系住民であるうえ、経済の実権は非マラーティー語系住民が握っていたためである。結局、他の言語州から4年遅れて、1960年にボンベイ州は北部がグジャラート州、南部がマハーラーシュトラ州へと分割され、ボンベイは後者の州都となった。

1982年には、ダッタ・サマントが主導する25万人以上の繊維工場労働者による大規模なストライキ(大ボンベイ繊維ストライキ)が発生した。このストライキを契機の一つとして、ムンバイの基幹産業であった繊維産業は衰退していった[7]。その後、マラーティー民族主義を掲げる政党シヴ・セーナーが勢力を拡大していった。1985年の選挙で、シヴ・セーナーは国民会議派を破ってボンベイ市議会の与党となり、市の呼称をマラーティー語のムンバイへと変更する運動を展開し[15]、1995年には、英語での公式名称がボンベイからムンバイへと正式に変更された[7]。

2008年11月26日、ムンバイ同時多発テロが発生し、多数の死傷者が出た[16]。2011年7月13日には、オペラハウス、ザベリ・バザール、ダダールの3か所で連続爆破事件が発生し、多数の死傷者が出た[17]。

2024年1月には、ムンバイ南部のセウリとナビムンバイ側のナヴァ・シェヴァを結ぶ全長約21.8 kmのムンバイ・トランス・ハーバー・リンク(アタル・セトゥ)が開通した。約30年前から構想されていた事業で、ムンバイ島部と本土を直接結ぶ新たな交通路となった[18]。

地理

ムンバイを構成する2つの県。緑色がムンバイ郊外県、黄色がムンバイ市街県
サンジャイ・ガンディー国立公園
カーンヘーリー石窟群

ムンバイは、インド西海岸のアラビア海に注ぎ込むウルハース川の河口付近にある旧ボンベイ島、およびその北に広がるサルセット島(サーシュティー島)の南部に位置する。かつて島々に分かれていた土地は埋め立てによって陸続きとなり、旧ボンベイ島は現在、南へ延びる半島状の地形となっている。市の中心部は半島南部のフォート地区にあり、そこから北へ市街地が発展した。フォート地区の南に位置するコラバ地区も19世紀以降に発展した古い市街地で、インド門やタージマハル・ホテルがある。フォート地区の東側にはムンバイ港、西側にはバック・ベイが広がり、バック・ベイの西側に位置するマラバール・ヒルは高級住宅地として知られる[19]。沈黙の塔もマラバール・ヒルに位置する。

行政上、ムンバイはマハーラーシュトラ州に属し、ムンバイ市街県とムンバイ郊外県の2県にまたがっている。ムンバイの地理的な総面積は603.4 km²で、このうち437.71 km²がムンバイ市政府(英語版)(Brihanmumbai Municipal Corporation、BMC)の管轄下にある。残る地域には森林、防衛用地、港湾など、BMCの管轄外となる区域が含まれる[20]。また、ムンバイを中心とするムンバイ都市圏(Mumbai Metropolitan Region、MMR)は、2019年の区域拡大後、6,328 km²に及んでいる[1]。

ムンバイはコンカン海岸に位置し、サルセット島の南部を市域に含む一方、島の北部はターネー県に属する[21]。市の西側はアラビア海に面する[22]。市内の多くの地域は海抜10〜15 m程度に位置し、平均標高は14 mである。一方、北部には丘陵地が広がり、パウワイ=カーンヘーリー丘陵では標高約450 mに達する[23]。

北部にはサンジャイ・ガンディー国立公園があり、自然保護区域となっている。同公園の面積は約103 km²で[24]、園内には紀元前1世紀頃から10世紀にかけて造営された仏教石窟寺院群のカーンヘーリー石窟群がある。また、インドヒョウ、アクシスジカ、ヌマワニ、サンバーなどの野生動物や多くの鳥類が生息している。

気候

ケッペンの気候区分によると、ムンバイはサバナ気候(Aw)に属する。

1991年から2020年までの平年値では、年平均気温は27.9℃である。月平均気温は5月が最も高く30.7℃、1月が最も低く24.9℃となっている。年間降水量は2250.7mmで、降水は主に6月から9月のモンスーン期に集中する[25]。

年平均日照時間は2611.9時間である[26]。

月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年
最高気温記録 °C (°F) 37.1
(98.8)
38.3
(100.9)
41.6
(106.9)
40.6
(105.1)
39.7
(103.5)
37.2
(99)
35.6
(96.1)
33.8
(92.8)
35.6
(96.1)
39.5
(103.1)
38.4
(101.1)
36.7
(98.1)
41.6
(106.9)
平均最高気温 °C (°F) 30.2
(86.4)
30.3
(86.5)
31.7
(89.1)
32.9
(91.2)
34.0
(93.2)
32.2
(90)
29.9
(85.8)
29.9
(85.8)
30.6
(87.1)
33.1
(91.6)
33.8
(92.8)
32.2
(90)
31.7
(89.1)
日平均気温 °C (°F) 24.9
(76.8)
25.5
(77.9)
27.3
(81.1)
29.2
(84.6)
30.7
(87.3)
29.3
(84.7)
27.7
(81.9)
27.5
(81.5)
27.9
(82.2)
29.1
(84.4)
28.7
(83.7)
26.7
(80.1)
27.9
(82.2)
平均最低気温 °C (°F) 19.4
(66.9)
20.4
(68.7)
23.0
(73.4)
25.3
(77.5)
27.3
(81.1)
26.6
(79.9)
25.5
(77.9)
25.2
(77.4)
25.1
(77.2)
25.1
(77.2)
23.6
(74.5)
21.2
(70.2)
24.0
(75.2)
最低気温記録 °C (°F) 11.7
(53.1)
11.7
(53.1)
16.3
(61.3)
20.0
(68)
22.8
(73)
21.1
(70)
21.7
(71.1)
20.7
(69.3)
20.0
(68)
20.6
(69.1)
17.8
(64)
12.8
(55)
11.7
(53.1)
雨量 mm (inch) 0.6
(0.024)
1.0
(0.039)
1.3
(0.051)
0.8
(0.031)
6.0
(0.236)
516.5
(20.335)
790.5
(31.122)
483.3
(19.028)
352.8
(13.89)
86.3
(3.398)
8.8
(0.346)
2.8
(0.11)
2,250.7
(88.61)
平均降雨日数 0.1 0.1 0.1 0.0 0.6 14.1 22.1 20.2 14.0 3.6 0.5 0.3 75.6
% 湿度 62 62 63 66 68 77 85 84 80 72 65 63 71
平均月間日照時間 282.1 271.2 282.1 279.0 272.8 138.0 80.6 77.5 147.0 238.7 267.0 275.9 2,611.9
平均日照時間 9.1 9.6 9.1 9.3 8.8 4.6 2.6 2.5 4.9 7.7 8.9 8.9 7.2
出典1:気象庁東京気候センター(平均気温・降水量:1991–2020年)[25]
出典2:インド気象局(最高・最低気温、降水日数、湿度、極値:1981–2010年等、日照時間:1971–2000年)[27][28][26]

行政

ムンバイ市政府庁舎

ムンバイの地方自治は、ムンバイ市政府(英語版)(Brihanmumbai Municipal Corporation, BMC)が担っている。2022年3月7日の市議会議員の任期満了後は、市政長官(Municipal Commissioner)が行政官(Administrator)を兼務する形で市政運営が行われていた[29]。2026年に自治体選挙が実施され、同年2月にインド人民党(BJP)のリトゥ・ラジェシュ・タウデ(Ritu Rajesh Tawde)が市長に就任した[30][31]。行政実務は、マハーラーシュトラ州政府が任命する市政長官が統括している[32]。

経済

ムンバイのスカイライン

ムンバイは国内経済の中心都市として重要拠点となっている。2026年3月に公表されたグローバル金融センター指数(GFCI 39)では、世界52位の金融センターと評価されている[33]。

中心市街地には、インド準備銀行、ボンベイ証券取引所、インド国立証券取引所といった国内の金融機関をはじめ、タタ・グループ(Tata Group)、ゴドレージ・グループ(Godrej Group)、リライアンス(Reliance)など多くのインド企業の拠点、国外の金融機関、多国籍企業の拠点が置かれている。また、ムンバイはマハーラーシュトラ州の州都であり、行政機関も集積している。

現在では金融都市となったムンバイも、1980年代までは繊維工業および港湾貿易に大きく依存していた。しかしその後、地域経済の基盤は工業、ダイヤモンド加工業、ヘルスケア、IT産業といった分野へと大きく裾野を広げて現在に至った。

娯楽産業もムンバイの重要な産業の一つである。国内の主要なテレビ局や出版社などが拠点を置くほか、インド映画産業のうち、ヒンディー語映画産業の中心地であり、ハリウッドをもじった「ボリウッド」の名で世界的に知られている。マラーティー語の映画・テレビ産業にとっても重要な拠点となっている。

フォーブスによる2025年の集計では、ムンバイには67人のビリオネアが居住し、ビリオネアの居住者数では世界6位となった[34]。その一方で経済格差も著しい。

不動産事情

盛んな経済活動に伴い、不動産価格の高騰が続いている。ムンバイに限ったことではないが、築100年以上を経過した老朽建築物にも一定の需要があり、モンスーンの時期にはビルの倒壊事故が発生することがある。2013年にはターネー・ビル倒壊事故が発生して74人が死亡したほか、2017年7月には17人が死亡する倒壊事故が発生し[35]、同年8月にも33人が死亡する倒壊事故が発生した[36]。

教育

ムンバイには、1857年設立でインド最古級の大学の一つであるムンバイ大学をはじめ、多くの高等教育・研究機関が置かれている[37]。主要な高等教育・研究機関には以下がある。

人口統計

ムンバイの宗教(2011年)[43]
宗教 パーセント
ヒンドゥー教
  
65.99%
イスラム教
  
20.65%
仏教
  
4.85%
ジャイナ教
  
4.10%
キリスト教
  
3.27%
シク教
  
0.49%
その他・無回答
  
0.65%

2011年インド国勢調査によると、ムンバイ(Greater Mumbai)の人口は12,442,373人だった。人口密度は1平方キロメートルあたり20,634人である[44]。

この国勢調査ではムンバイの識字率は89.73%である。人口の性比は男性1,000人に対し、ムンバイ市街県で女性832人、ムンバイ郊外県で860人であり、ムンバイ市域全体では853人となっている[44][45]。ムンバイでは男性の人口が女性を上回っている。

ダーラーヴィー地区の陶器工房

ムンバイ市民の宗教は、ヒンドゥー教が最も多く65.99%を占め、以下イスラム教徒(20.65%)、仏教徒(4.85%)、ジャイナ教徒(4.10%)、キリスト教徒(3.27%)、シク教徒(0.49%)となっている[43]。このほか、その他の宗教および宗教を回答しなかった人口が存在する。

地元のキリスト教徒には、ポルトガル人の布教によって18世紀から19世紀に改宗した東インド人が含まれる[46]。ムンバイにはパールシー(ゾロアスター教徒)の大きなコミュニティが存在する。

インドには認可されたスラムと認可されていないスラムが存在する。ムンバイでは、マハーラーシュトラ州のスラム関連法制や政策のもとで、一定の要件を満たすスラム居住者を対象とした保護や再定住・再開発が行われている。ダーラーヴィー地区もこうしたスラム再開発の対象となっている。ダーラーヴィーでは住宅のほか多数の商工業活動が営まれており、現在、マハーラーシュトラ州政府による大規模な再開発事業が進められている[47]。

言語

2011年インド国勢調査によると、ムンバイで最も話者が多い母語は、州の公用語であるマラーティー語で35.4%を占める。以下、ヒンディー語(24.8%)、ウルドゥー語(11.7%)、グジャラート語(11.4%)、タミル語(2.37%)などが話されている[48]。このほか、インド各地からの人口流入を反映して多様な言語が使用されている。

ムンバイで制作される映画はヒンディー語のものが多い。

交通

チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅 - ユネスコの世界遺産
ムンバイ・モノレール
ムンバイ・メトロ
チャトラパティ・シヴァージー国際空港ターミナルT2

ムンバイの公共交通機関には、ムンバイ近郊鉄道、モノレール、ムンバイ・メトロ、BESTバス、タクシー、オート・リクシャー、フェリーなどがある。

ムンバイ近郊鉄道は、セントラル鉄道(CR)およびウェスタン鉄道(WR)を中心とする鉄道網によって構成されている。セントラル鉄道はチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅に本部を置き、市内中央部、北東部、東南部および近郊地域をカバーしている。ウェスタン鉄道はチャーチゲートに本部を置き、市内西部を中心に近郊地域をカバーしている[49]。チャーチゲート駅はウェスタン鉄道のムンバイ近郊列車の主要駅の一つである。長距離鉄道では、インド国鉄がムンバイと国内各都市を結んでいる。

2014年6月8日にムンバイ・メトロ1号線が開通した。その後も路線網の整備が進み、2A号線や7号線などが開業した。2026年には2B号線および9号線の一部区間でも営業を開始している[50][51]。

BEST(ブリハンムンバイ電力交通公社)は市バスを運行しており、市内の大部分をカバーする。2階建てバスやエアコンバスも運行されている。また、タクシーとオート・リクシャーも市民の交通手段となっている。

航空交通では、チャトラパティ・シヴァージー国際空港がムンバイの主要な空の玄関口となっている。日本との間では、全日本空輸(ANA)が成田国際空港―ムンバイ間の直行便を運航している[52]。また、エア・インディアは2026年6月から羽田空港―ムンバイ間の直行便を運航している[53]。

また、ムンバイ都市圏では、市域外のナビ・ムンバイにナビ・ムンバイ国際空港(Navi Mumbai International Airport)が整備され、2025年12月25日に商業運航を開始した[54]。2026年7月15日には国際線の運航も開始し、チャトラパティ・シヴァージー国際空港とともにムンバイ都市圏の航空需要を担っている[55]。

港湾

ムンバイ湾にまたがるシーリンク

ムンバイ都市圏には、ジャワハルラール・ネルー港とムンバイ港という2つの主要港がある。ナビ・ムンバイに位置するジャワハルラール・ネルー港はインド最大級のコンテナ港であり、2025–26年度には約817万TEUのコンテナを取り扱い、インドの主要港におけるコンテナ取扱量の53.93%を占めた[56]。ムンバイ港では2025–26年度に7,515万トンの貨物を取り扱い、同港として過去最高を記録した[57]。このため、ムンバイ都市圏はインドの海上輸送における重要な拠点となっている。

また、ムンバイにはインド海軍の西部海軍コマンドの拠点や造船所が置かれている。

観光

エレファンタ石窟群
フローラの泉

ムンバイには石窟寺院、植民地時代の建築物、博物館、海岸など多くの観光地がある。また、市内および周辺には複数のユネスコ世界遺産がある。

ムンバイの主な観光地は下記の通り。

ギャラリー

文化

ボリウッドのショー

ムンバイはインド国内各地から様々な民族・宗教・文化が集まる都市であり、映画やテレビなどメディア産業における国内有数の拠点でもある。

特にムンバイはヒンディー語映画産業の中心地として知られ、街の旧名「ボンベイ」とハリウッドを組み合わせた「ボリウッド」の名称でも広く知られている。市北部のゴーレーガーオンには、マハーラーシュトラ州政府傘下の映画スタジオ施設「ダーダーサーヘブ・パールケー・チトラナガリ」(通称フィルムシティ)がある。同施設は1977年に設立され、2001年に現在の名称へ改称された。約521エーカーの敷地にスタジオや多数の屋外撮影場所などを備え、映画やテレビ番組などの撮影に利用されている[65][66]。

また、ムンバイではMumbai Academy of Moving Image(MAMI)が主催するMAMIムンバイ映画祭が1997年から開催されており、インドおよび南アジアの作品と世界各地の映画を紹介している[67]。

スポーツ

クリケット

ムンバイ出身のレジェンドであるテンドルカール(左)。ムンバイ訪問中のウィリアム王子夫妻とクリケットをした[68]。(2016年)

クリケットはムンバイで特に人気の高いスポーツである[69]。ムンバイにはインドのクリケット界を統括するインドクリケット管理委員会(BCCI)が所在し、トゥエンティ20形式のプロリーグであるインディアン・プレミアリーグ(IPL)の運営拠点も置かれている[70]。

IPLのムンバイ・インディアンスはムンバイを本拠地とし、2013年、2015年、2017年、2019年、2020年の5度の優勝を果たしている。本拠地はワンケード・スタジアム(英語版)である[71]。2011年のクリケット・ワールドカップ決勝はワンケード・スタジアムで行われ、インド代表が2度目の優勝を果たした。

2023年には女子プロクリケットリーグの女子プレミアリーグ(WPL)が開幕し、ムンバイ・インディアンスは2023年の初年度と2025年に優勝した[72]。

ムンバイ出身の著名なクリケット選手では、サチン・テンドルカールが挙げられる。テスト方式で史上最多の通算15,921得点(ラン)、ODI方式で史上最多の通算18,426得点を記録しており、国際クリケットで数々の記録を残した。その業績から「クリケットの神様」とも評されている[73]。

サッカー

ムンバイを本拠地とするプロサッカークラブとしてムンバイ・シティFC(Mumbai City FC)があり、インディアン・スーパーリーグ(ISL)に参加している。本拠地はムンバイ・フットボール・アリーナである[74]。

野球

ムンバイを冠する野球チームとして、ベースボール・ユナイテッドのムンバイ・コブラズがある。

その他

  • 血液型には「ボンベイ型」(Bombay phenotype、hh)と呼ばれる非常に稀な型が存在する。ABO式血液型の形成に必要なH抗原を欠く血液型で、1952年にボンベイ(現在のムンバイ)で初めて発見・報告されたことからこの名称が付けられた[75]。
  • ボンベイ・サファイアというジンの名称は、英領インド時代のボンベイに由来する。「サファイア」は著名なサファイア「スター・オブ・ボンベイ」にちなみ、特徴的な青いボトルもこの宝石から着想を得ている[76]。

姉妹都市

ムンバイは世界各地の都市と姉妹都市関係を結んでいる。ムンバイ市政府(BMC)は2021年から2022年にかけて、ムンバイの姉妹都市として15都市を挙げている[77][78]。

脚注

注釈

  1. ↑ なお原語では「イ」が長母音のため「ムンバイー」の表記がより正確とも言えるが、日本国内での表記は「ムンバイ」が大半であり、慣用という意味も含めて当記事内でも後者に統一されている

出典

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関連項目

外部リンク

公式

日本政府

観光

その他

座標: 北緯18度57分53秒 東経72度49分33秒 / 北緯18.96472度 東経72.82583度 / 18.96472; 72.82583 (ムンバイ)



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