MESSAGE -メッセージ-
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/07 23:30 UTC 版)
「MESSAGE -メッセージ-」 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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Bank Band with Salyuの配信限定シングル | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
収録アルバム | 『沿志奏逢4』 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
リリース | 2018年7月13日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
規格 | デジタル・ダウンロード | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ジャンル | J-POP | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
時間 | 6分33秒 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
レーベル | トイズファクトリー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
作詞者 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
作曲者 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロデュース | MUSIC CIRCLE | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
チャート順位 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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『MESSAGE -メッセージ-』は、日本のバンド・Bank Bandの5作目の配信限定シングル(Bank Band with Salyu名義)。2018年7月13日にトイズファクトリーより発売された[4]。
背景
2018年7月15日 - 16日につま恋リゾート 彩の郷で開催された野外音楽フェスティバル『ap bank fes '18』にBank Bandが出演。同会場での『ap bank fes』開催は『ap bank fes '12 Fund for Japan』以来6年ぶりとなった[5]。本イベントのために書かれた楽曲が「MESSAGE -メッセージ-」であり[6]、同イベントでライブ初披露された[7]。本楽曲について、小林武史は「何か新曲をやりたいっていう想いがあって。ap bankとしてつま恋に戻ってきて、ことしのフェスをきっかけに何かが始まっていくようなものが欲しかった」[8]、櫻井和寿は「この2018年のap bank fesに来ているみなさんに聴いてもらいたい、ただそれだけで、曲を作りました。本当にただそれだけで作った曲です」[9]と語っている。
制作
本楽曲は作詞を櫻井和寿といしわたり淳治が、作曲を小林武史と蔦谷好位置が担当。Bank Bandのオリジナル楽曲としては作詞・作曲に小林と櫻井以外の人物が携わるのはこれが初となる。小林が「MUSIC CIRCLE」(小林曰く「最近これからの日本の音楽や音楽の未来についてよく話している仲間」)のうち、小林より若い世代の2人である蔦谷といしわたりにアレンジと作詞の相談をし、結果的に2人が制作したメロディーや歌詞がSalyuが歌うパートに反映されているという。そのため、本楽曲は小林の意向でプロデュース表記がMUSIC CIRCLEになっており、これについて小林は「ap bankも設立して15年にもなるので、この楽曲にも音楽というか音楽シーンとのつながりや循環を取り入れたいと思っていたということがある。(これは櫻井くんも当初から賛成してくれていた)」「つながりや循環を大切にして来たap bankの代表である僕としても、音楽の中で世代やジャンルを時には超えながら循環を作っていくということに向かって、この楽曲が小さな波紋の始まりの1つになればさらに良いなと思っている」とコメントしている[4]。
当初、櫻井はMr.Childrenのアルバム『重力と呼吸』のレコーディングやウカスカジーのホールツアー『ウカスカジー TOUR 2018 日本のアンセム』などで忙しかったため歌詞の制作を断っていたが、いしわたりの書いた歌詞の一部を生かして櫻井が歌詞を完成させた[10]。なお、メロディは小林の中で2011年頃からある程度存在していたという[6]。
音楽性
櫻井和寿は、本楽曲が2006年にリリースされたBank Bandの楽曲「to U」のアンサーソングであると紹介している[11]。また、小林武史も 「『to U』の他に何曲かap bankのためにオリジナル曲を作ってきたけど、今年の曲は『to U』と繋がっていくものにならないかなと思っていた」とコメントしている[4]。
本楽曲について、櫻井は「タイトルは『MESSAGE -メッセージ-』。なんだけど、この曲に僕自身が込めたメッセージはないと言っていい」「『P.S. あなたの生活の中のあらゆる場所にメッセージは潜んでいて、だから、ちっぽけに思えちゃいがちなあなたの生活を大事に大事に見つめて下さい。僕もそうしますね。』って暑中見舞いのハガキの片隅に書き添えたような、そんな歌です」とコメントしている[4]。歌詞を書くにあたり、櫻井は「一つの生活の中にある歌」であることを意識していたといい[12]、その理由について次のように発言している。
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まずはつま恋に帰ってくるap bank fesの旗振りにならないといけない曲だと思って。このフェス自体が長い間やってるから、かつて独身で学生時代に足を運んでくれた人たちも、ひょっとしたら結婚して子供もいて、音楽を聴くよりも重要なことは生活を守ることだったりすると思うんですよ。そこに対して何を歌おうか? って思ったんです。小林さんから最初にこんな歌詞にしてほしいっていうのは、もっと大きなテーマだったんだけど、人間って自分にとって重要なことじゃないと聞こえてこないし、目に入ってこないと思うんですよ。だからもうちょっと生活に根付いた視点で、素朴な日常の生活者の視点で僕は歌詞を書きたいと思って。で、いしわたりさんの歌詞にもうちょっと生活者の視点を入れて、歌詞を書いていって。
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」 |
このように、小林とは歌詞の方向性について相違があったといい、小林は「一緒に(Mr.Childrenを)やっていた後期のほうは、特に櫻井の歌詞に対してあんまり言ったりすることはなかったし、好きにどうぞ、みたいな感じだったからさ。そういう意味では、歌詞のことでこれだけ話し合ったのは久しぶりでした」と明かしている[14]。また、小林の提案により、こうした違う考え方が存在するということが2番のサビの歌詞に反映されている[14][15]。
リリース・プロモーション
Bank Bandとしては前作「こだま、ことだま。」以来約2年ぶり6作目となるオリジナル曲[注 1]で、Salyuが2006年リリースの1stシングル『to U』以来12年ぶりにゲストボーカルとして参加している。
本作の収益は、同年に発生した平成30年7月豪雨の災害復興支援金に充てられる[17]。
収録曲
- MESSAGE -メッセージ- [6:33]
- ミュージック・ビデオ(リリックビデオ)が制作されており、ap bankの公式YouTubeチャンネルで公開されている。監督は袴田晃司 (bloomotion) が務めた[18]。
参加ミュージシャン
- 櫻井和寿:Vocal, Chorus
- Salyu:Vocal, Chorus
- 小林武史:Keyboards
- 河村“カースケ”智康:Drums
- 小倉博和:Guitar
- 亀田誠治:Bass
- 山本拓夫:Saxophone
- 小澤篤士:Trumpet
- 四家卯大:Cello
- 沖祥子:Violin
- 四家卯大ストリングス:Strings
収録アルバム
- 『沿志奏逢4』
脚注
注釈
- ^ その間に、2017年7月21日にReborn-Art Session(小林武史 櫻井和寿)名義で配信限定シングル『What is Art?』をリリースしている[16]。
出典
- ^ “7/23付週間デジタルシングル(単曲)ランキング1位はDA PUMPの「U.S.A.」”. ORICON NEWS. オリコン (2018年7月19日). 2021年11月27日閲覧。
- ^ “【ビルボード】DA PUMP「U.S.A.」DLソング&ストリーミング2冠、宇多田DLアルバム3週目首位”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2018年7月18日). 2021年10月18日閲覧。
- ^ “【ビルボード】キスマイ「L.O.V.E.」が17.8万枚を売り上げ、CD&ルックアップ&Twitterの3冠で総合首位 山下達郎「ミライのテーマ」総合6位にジャンプ・アップ”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2018年7月18日). 2023年3月7日閲覧。
- ^ a b c d “Bank Band、Salyuを迎えた「to U」の続編とも言える新曲リリース”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2018年7月6日). 2020年12月16日閲覧。
- ^ “「ap bank fes」6年ぶりにつま恋で開催、第1弾はBank BandとMr.Children”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2018年7月6日). 2025年4月27日閲覧。
- ^ a b 鹿野淳 2018a, p. 26.
- ^ “【ap bank fes '18】延べ約8万人を動員した大盛況のイベントレポートが到着”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2018年7月17日). 2023年3月7日閲覧。
- ^ 鹿野淳 2018a, p. 25.
- ^ 鹿野淳 (2018年8月3日). “ap bank fes ‘18ライブレポート ~7月16日 (月)~”. ap bank. 2021年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月27日閲覧。
- ^ 鹿野淳 2018b, p. 166.
- ^ 高橋智樹 2018, p. 111.
- ^ 佐藤竜樹 2018, p. 11.
- ^ 鹿野淳 2018b, pp. 166–167.
- ^ a b 鹿野淳 2018a, p. 27.
- ^ 鹿野淳 2018b, p. 167.
- ^ “櫻井和寿&小林武史「RAF」コンセプトソングをリリース”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2017年7月21日). 2021年1月26日閲覧。
- ^ “Bank Band with Salyu「MESSAGE -メッセージ-」配信にあたって。”. ap bank (2018年7月12日). 2018年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月10日閲覧。
- ^ “MESSAGE -メッセージ- / Bank Band with Salyu”. bloomotion inc.. 2023年3月7日閲覧。
参考文献
- 佐藤竜樹「COULD BE ANYTHING」『FATHER & MOTHER Mr.Children official fan club』第79巻、エンジン、2018年9月、10 - 11頁。
- 『別冊カドカワ 総力特集 ap bank fes '18』第751巻、KADOKAWA、2018年9月13日、ISBN 978-4-04-896400-5。
- 鹿野淳「Spiritual Message 小林武史」20 - 30頁。
- 鹿野淳「Spiritual Message 櫻井和寿」162 - 171頁。
- 高橋智樹「ap bank fes '18」『ROCKIN'ON JAPAN』第32巻第9号通巻499号、ロッキング・オン、2018年8月30日、102 - 111頁。
外部リンク
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