Lp, 0 < p ≤ ∞ の完備性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/01 01:29 UTC 版)
「リース=フィッシャーの定理」の記事における「Lp, 0 < p ≤ ∞ の完備性」の解説
Lp が完備であることの証明は、ルベーグ積分の収束定理に基づく。 1 ≤ p ≤ ∞ の場合、ミンコフスキーの不等式より Lp がノルム空間であることは分かる。Lp が完備であること、すなわち Lp がバナッハ空間であることを証明する上では、Lp(μ) 内の函数のすべての級数 ∑ un で ∑ ‖ u n ‖ p < ∞ {\displaystyle \sum \|u_{n}\|_{p}<\infty } を満たすものが、Lp-ノルムについてある函数 f ∈ Lp(μ) に収束することを示せば十分である。p < ∞ に対して、ミンコフスキーの不等式と単調収束定理より ∫ ( ∑ n = 0 ∞ | u n | ) p d μ ≤ ( ∑ n = 0 ∞ ‖ u n ‖ p ) p < ∞ {\displaystyle \int {\Bigl (}\sum _{n=0}^{\infty }|u_{n}|{\Bigr )}^{p}\,\mathrm {d} \mu \leq {\Bigl (}\sum _{n=0}^{\infty }\|u_{n}\|_{p}{\Bigr )}^{p}<\infty } が分かる。したがって f=∑ n=0 ∞ u n {\displaystyle f=\sum _{n=0}^{\infty }u_{n}} は μ についてほとんど至る所で定義され、f ∈ Lp(μ) である。すると優収束定理より、その級数の部分和は Lp-ノルムについて f に収束することが示される: ∫ | f − ∑ k=0 n u k | p d μ ≤ ∫ ( ∑ ℓ> n | u ℓ | ) p d μ → 0 as n → ∞ . {\displaystyle \int \left|f-\sum _{k=0}^{n}u_{k}\right|^{p}\,\mathrm {d} \mu \leq \int \left(\sum _{\ell >n}|u_{\ell }|\right)^{p}\,\mathrm {d} \mu \rightarrow 0{\text{ as }}n\rightarrow \infty .} 0 < p < 1 の場合は、p-ノルムが劣加法的でないため、いくつかの修正が必要となる。この場合はより強い仮定 ∑ ‖ u n ‖ p p < ∞ {\displaystyle \sum \|u_{n}\|_{p}^{p}<\infty } の下で、 | ∑ k = 0 n u k | p ≤ ∑ k = 0 n | u k | p when p < 1 {\displaystyle \left|\sum _{k=0}^{n}u_{k}\right|^{p}\leq \sum _{k=0}^{n}|u_{k}|^{p}{\text{ when }}p<1} を繰り返し利用する。p = ∞ の場合は、μ について無視出来る集合の外側での一様収束性に関する簡単な問題に帰着される。
※この「Lp, 0 < p ≤ ∞ の完備性」の解説は、「リース=フィッシャーの定理」の解説の一部です。
「Lp, 0 < p ≤ ∞ の完備性」を含む「リース=フィッシャーの定理」の記事については、「リース=フィッシャーの定理」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書からLp, 0 < p ≤ ∞ の完備性を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書からLp, 0 < p ≤ ∞ の完備性 を検索
- Lp, 0 < p ≤ ∞ の完備性のページへのリンク