LHC実験の安全性に対する危惧および反論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 09:50 UTC 版)
「大型ハドロン衝突型加速器」の記事における「LHC実験の安全性に対する危惧および反論」の解説
余剰次元理論からの計算によれば、8TeV~12TeVの領域で、マイクロブラックホールが生成される可能性があり危険であるという理由から、フランス高等裁判所及び欧州裁判所に実験の中止を求める訴訟が起こされている。なお、余剰次元が実在したとしても、LHCのエネルギーでブラックホールが生じる可能性があるのは、(現時点で実験的には未決定な)理論中のパラメータ(余剰次元のサイズ)が既存の実験から許される上限に近いミリメートルオーダーである場合に限られる。つまり、たとえ理論が正しかったとしても、LHC程度のエネルギーでは極小ブラックホールは生じない可能性が高い。 もし極小ブラックホールが出来たとしても、量子ブラックホールレベルの極小のものであり、ホーキング放射により瞬時に蒸発してしまう。LHC実験で極小ブラックホールが発生し、それが崩壊せずに残るとするならば、それより遥かに高いエネルギーで降り注ぐ宇宙線のために、大気圏にLHC実験で発生するものより大きなブラックホールが残る事になる。 巨大な予算を必要とするため、一部の特権的科学者の利権であるとか、実用的な研究ではないという批判もある。
※この「LHC実験の安全性に対する危惧および反論」の解説は、「大型ハドロン衝突型加速器」の解説の一部です。
「LHC実験の安全性に対する危惧および反論」を含む「大型ハドロン衝突型加速器」の記事については、「大型ハドロン衝突型加速器」の概要を参照ください。
- LHC実験の安全性に対する危惧および反論のページへのリンク