氷コップとは? わかりやすく解説

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氷コップ

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/27 03:22 UTC 版)

氷コップ(こおりこっぷ)とは、戦前日本でよく用いられた、かき氷を主とする氷菓専用のガラス器である。


  1. ^ 寸基準がメートル基準か、あるいは製造誤差によるばらつきは見られる。
  2. ^ ガラス工芸家の岩田藤七は、『ガラス十話』(毎日新聞、1964年(昭和39年))に「明治中期以降からつくられた氷コップ、氷碗には、口紅のぼかし、瑠璃ぼかし、あぶりだしオパールの西洋の技法が日本化されているが、これは高く評価してよいと思う」と書き記している。
  3. ^ 江戸時代までの薄手のいわゆるビードロは徐冷が行われず、わずかな温度差が加えられただけで割れてしまいやすい物だったため、氷菓子の器としては適さなかった。
  4. ^ 「石井 1908」によると『明治の光』(明治8年10月版)に売氷水店の図があり、露店で氷水を硝子盃に盛って販売されていると記されている。また、フランス人画家ジョルジュ・ビゴーは『日本人の生活』(第一次 1890年(明治23年))や『東京芸者の一日』(1891年(明治24年))などに掲載した絵に氷菓子屋で脚付きコップと匙が使われているのを描いている。さらに、「加藤 1976」で引用されている、『風俗画報』170号(1898年(明治31年))にある図「夏の世渡り 阿波徳島において所見」では、氷水の屋台で水呑みコップが用いられている。
  5. ^ 「郡山 1910」巻末に銀座 洋食器硝子器商 十一屋商店の写真入の宣伝広告があり、高級アイスクリームコップが掲載されている。
  6. ^ 色ガラスによる暈し自体は、江戸時代のガラス盃に既に見ることが出来る。
  7. ^ 「石井 1913、66頁」の"氷水店用の器具類の代価及販売店"に「今日、極普通に使用して居る、氷店用のコップは、左の如き代価で買ふ事が出来ます。今日にても、地方の辺地にては、猶(なほ)ケンサキといふ普通水呑コップを使って居る所も有りますが、大抵は台つきのコップを使うやうになりました。」とあり、その種類と価格の目安が記載されている。氷水用コップの種類としては、"角形台付"、"丸形"、"長手台付"、"並コップ(ケンサキ)"があり、赤べり、青べりのものの価格も記載されている。また、"アルミニュームの匙"や、暖簾のように使う"玉すだれ"、"氷かき鉋"の価格も紹介され、これらが同時期に使われていたことが分かる。
  8. ^ 「井上 2000」で佐々木硝子のカタログに掲載された氷コップが調査されている。
  9. ^ 「『明治・大正のガラス』 1994、20頁、126頁」や「井上 2000」に記載された大正4年と大正末年の佐々木硝子の型録での価格。
  10. ^ 佐々木硝子の『ガラス器カタログ』のソーダ水のグラスにおいて、1931年(昭和6年)のカタログには黒足のタイプの記載は無いが、昭和8、10、12、14年のカタログには"新流行品"もしくは"新時代の流行品"と銘打って黒足の複数のモデルが掲載されている。
  11. ^ 「高橋 2001」などを見ても、黒足の氷コップは主に碗型、なつめ型である。
  12. ^ 「『明治・大正のガラス』 1994、19頁」によると瀧波硝子が戦後間もなく水玉文や市松文のあぶり出しの氷コップを復活させたとある。
  13. ^ 「畑中 1970」「戸澤 2001」にその頃の氷コップブームの状況についての記載がある。
  14. ^ 「『ぎやまん・クリスタル・美の世界』 1977」に九州のびいどろ工房によって製作されたあぶり出しの氷コップが紹介されている。
  15. ^ 「大森 2008」によると、2002年(平成14年)に老舗の瀧波硝子によってカップに水玉文のあぶり出しを施しステムとフットにウランガラスを用いた氷コップが少量製作された。


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