イヴァン・モラヴェッツとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 人名 > 音楽家 > 演奏家 > チェコのピアニスト > イヴァン・モラヴェッツの意味・解説 

イヴァン・モラヴェッツ

(Ivan Moravec から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/18 15:22 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
イヴァン・モラヴェッツ
生誕 (1930-11-09) 1930年11月9日
出身地  チェコ
死没 (2015-07-27) 2015年7月27日(84歳没)
学歴 プラハ音楽院
ジャンル クラシック音楽
職業 ピアニスト
担当楽器 ピアノ

イヴァン・モラヴェッツIvan Moravec, 1930年11月9日 - 2015年7月27日)はチェコピアニスト。半世紀にわたる演奏・録音活動と軽快なタッチが作り出す透明感ある美音、卓越した演奏技巧により、世界的な支持を集めた。

経歴

1930年11月9日、プラハに誕生[1]。アマチュア・ピアニストで歌手でもあった父の影響で早くからピアノとオペラに親しむ。46年にプラハ音楽院入学。エルナ・グリュンフェルト(ボヘミア出身のオーストリアのピアニスト、アルフレート・グリュンフェルトの姪)にピアノを学ぶ。48年にはプラハ音楽院ピアノ科を首席で卒業。プラハ芸術アカデミーに進みイローナ・シュチェパーノヴァー=クルゾヴァー(ヴィレーム・クルツの娘)に師事。しかし、20歳の時に腕の故障に見舞われ、療養のため5年間演奏を中断する。復帰後の57年、プラハでモラヴェッツの演奏に接したアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリに招かれて、同年と翌年夏のアレッツォのマスタークラスに参加した。

59年ロンドン・デビュー。50年代後半に、プラハにおけるリサイタルの録音テープが西側諸国に流出する[2]。その後まもなく、アメリカのマイナー・レーベル「コニサー・ソサイティ」(玄人協会)がチェコスロバキア当局と交渉して、モラヴェッツと契約を結んだ。これを機に、国際的な演奏活動をスタート。62年にニューヨークで同社のために多くの録音を行い、64年にはジョージ・セルに招かれクリーヴランド管弦楽団を共演した。

リサイタルでは、チェコの作曲家の他に、モーツァルトベートーヴェンショパンドビュッシーの曲も取り上げた。世界の主要なオーケストラと共演を重ねて、モーツァルトやベートーヴェン、シューマンフランクブラームスラヴェルプロコフィエフらのピアノ協奏曲や協奏的作品を演奏・録音してきた。67年からはプラハ音楽芸術アカデミーで教鞭を執り、献身的なピアノ教師としても活動。訪問先ではしばしばマスタークラスを開催した。日本には71年以降、たびたび訪れリサイタルを開く。

コニサーへの録音は、オーディオマニア向けの高音質で名高い[3]。ほかにも米VOXやVAI、ドリアン、ヘンスラー、スプラフォンといったレーベルに録音している。1998年にはフィリップスの「20世紀の偉大なピアニストたち」シリーズでもその音源が採用された。

  1. ^ 著者吉澤ヴィルヘルム、発行者矢野恵二『ピアニストガイド』株式会社青弓社、印刷所・製本所厚徳所、2006年2月10日、236ページ、ISBN 4-7872-7208-X
  2. ^ Dyer, Richard Unmistakably Moravec, Boston Globe, 1991-08-08
  3. ^ Balgalvis, Arnis, The Audiophile Voice, Vol.9 Issue2 Page 18, Best Sound at the Show, 2006-08-08

外部リンク





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「イヴァン・モラヴェッツ」の関連用語

イヴァン・モラヴェッツのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



イヴァン・モラヴェッツのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのイヴァン・モラヴェッツ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS