IRAS 16293-2422
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/12 08:49 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動IRAS 16293-2422 | |
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星座 | へびつかい座[1] |
分類 | 原始星[2][3] |
軌道の種類 | 二連星[1][4] |
天文学上の意義 | |
意義 | 原始星での糖類の発見[1] |
位置 元期:J2000.0[4] |
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赤経 (RA, α) | 16h 32m 22.56s[4] |
赤緯 (Dec, δ) | −24° 28′ 31.8″[4] |
距離 | 約400 光年[1] |
物理的性質 | |
質量 | 約1 M☉ ×2[1] |
別名称 | |
別名称 | |
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IRAS 16293-2422とは、へびつかい座ρ星星形成領域に存在する原始星の二連星である[1][4][2][3]。
概要
IRAS 16293-2422は、互いが太陽とほぼ同じ質量を持つ二連星で、分子雲を持つ若い恒星である[1][4][2][3]。分子雲からは惑星ができつつあると考えられている。このような若い恒星の中では、地球から400光年と近い距離にあるため、IRAS 16293-2422はしばしば研究の対象となっている[1]。
糖類の発見
2012年、デンマーク、ニールス・ボーア研究所のジェス・ジョーゲンセン氏らの研究チームが、アルマ望遠鏡を用いた観測を行い、天王星軌道に相当する距離において、糖類の1つであるグリコールアルデヒドを発見した[1][注釈 1]。グリコールアルデヒドは、これまでに銀河中心部のいて座B2分子雲[5]と、大質量星が生成されているG31.41+0.31領域[6]にて発見されているが、惑星ができつつあると考えられている原始星において発見されるのは初めてのことである[1]。グリコールアルデヒドはRNAの構成要素の1つであるため、生命の材料として注目されている[1]。また、今回の観測ではグリコールアルデヒドが恒星の1つに落下する様子を捉えているため、もし惑星があれば、グリコールアルデヒドが惑星の表面上に降り積もる可能性もある[1]。
IRAS 16293-2422は、これまでの観測でエチレングリコールやギ酸メチル、エタノールなども発見されている[1]。
脚注
注釈
- ^ グリコールアルデヒドは、厳密に言えば糖類ではない。化学式はC2H4O2であるが、単糖の一般組成は、(CH2O)nのnが3以上の物を指す。しかし、グリコールアルデヒドは(CH2O)nをn=2において満たしているため、しばしば最も基本的な単糖として扱われる。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m 2012年8月29日 アルマ望遠鏡、赤ちゃん星のまわりに生命の構成要素を発見 アルマ望遠鏡
- ^ a b c IRAS 16293-2422A -- Young Stellar Object SIMBAD
- ^ a b c IRAS 16293-2422B -- Young Stellar Object SIMBAD
- ^ a b c d e f g NAME IRAS 1629A -- Dense core inside a molecular cloud SIMBAD
- ^ Scientists Discover Sugar in Space National Radio Astronomy Observatory
- ^ First detection of glycolaldehyde outside the Galactic Center Institut de Radioastronomie Millimetrique
外部リンク
- IRAS 16293-2422のページへのリンク