Hallucinogen persisting perception disorderとは? わかりやすく解説

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フラッシュバック (薬物)

(Hallucinogen persisting perception disorder から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/10 04:56 UTC 版)

フラッシュバック (flashback) とは、幻覚剤によって体験した感覚が突如として再現されることである[1]。幻覚剤の体験から数ヶ月も経ったあとでは、起こることは稀である[1]。世界保健機関の『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』10版(ICD-10)における正式な診断名はフラッシュバックで、数秒から数分間の出来事と定義し、その用語集にて幻覚剤後知覚障害(Post-hallucinogen perception disorder)と定義し[2]、アメリカ精神医学会の『精神障害の診断と統計マニュアル』における正式な診断名は幻覚剤持続性知覚障害であるが、括弧してフラッシュバックと記され、その診断基準においては現実検討ができる視覚的な現象であるとしている。大麻およびその成分テトラヒドロカンナビノール(THC)は幻覚剤ではない[3]。単なる体験とは異なり、障害である場合にはそれが重症であるという診断基準を満たす必要がある。HPPDは、幻覚剤使用との因果関係が実証されていない(つまり疑わしい)研究によって主張されており、シロシビンを用いたいくつかのランダム化比較試験ではこうした症状は報告されていない[4]。フラッシュバック全体を含めると、心地よいものであるとの見解は半数を超える[5]。また幻覚剤を用いたことがない一般集団にも視覚症状は起こりうる[4]


  1. ^ a b レスター・グリンスプーン、ジェームズ・B. バカラー 『サイケデリック・ドラッグ-向精神物質の科学と文化』 杵渕幸子訳、妙木浩之訳、工作舎、2000年。ISBN 978-4875023210。273頁。(原著 Psychedelic Drugs Reconsidered, 1979)
  2. ^ a b 世界保健機関 (1994) (pdf). Lexicon of alchol and drug term. World Health Organization. pp. 38. ISBN 92-4-154468-6. http://whqlibdoc.who.int/publications/9241544686.pdf.  (HTML版 introductionが省略されている
  3. ^ a b アメリカ精神医学会 『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、日本精神神経学会日本語版用語監修・高橋三郎・大野裕監訳・染矢俊幸・神庭重信・尾崎紀夫・三村將・村井俊哉医学書院2014年6月30日、517頁。ISBN 978-4260019071 
  4. ^ a b c Lu, Lin; Krebs, Teri S.; Johansen, Pål-Ørjan; et al. (2013年). “Psychedelics and Mental Health: A Population Study”. PLoS ONE 8 (8): e63972. doi:10.1371/journal.pone.0063972. PMC 3747247. PMID 23976938. http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0063972. 
  5. ^ a b c レスター・グリンスプーン、ジェームズ・B. バカラー 『サイケデリック・ドラッグ-向精神物質の科学と文化』 杵渕幸子訳、妙木浩之訳、工作舎、2000年。ISBN 978-4875023210。275頁。(原著 Psychedelic Drugs Reconsidered, 1979)
  6. ^ レスター・グリンスプーン、ジェームズ・B. バカラー 『サイケデリック・ドラッグ-向精神物質の科学と文化』 杵渕幸子訳、妙木浩之訳、工作舎、2000年。ISBN 978-4875023210。274-276頁。(原著 Psychedelic Drugs Reconsidered, 1979)
  7. ^ ティモシー・リアリー 『フラッシュバックス-ティモシー・リアリー自伝』山形浩生訳、久霧亜子訳、明石綾子訳、森本 正史訳、松原永子訳、1995年。58-59、103頁。ISBN 978-4845709038
  8. ^ a b アメリカ精神医学会 『DSM-IV-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル(新訂版)』 医学書院2004年、193、232、249-250。ISBN 978-0890420256
  9. ^ 世界保健機関 『ICD‐10精神および行動の障害:臨床記述と診断ガイドライン』 医学書院、2005年、新訂版、93頁。ISBN 978-4-260-00133-5世界保健機関 (1992) (pdf). The ICD-10 Classification of Mental and Behavioural Disorders : Clinical descriptions and diagnostic guidelines (blue book). World Health Organization. http://www.who.int/classifications/icd/en/bluebook.pdf. 
  10. ^ Bramness, Jørgen G; Gundersen, Øystein; Guterstam, Joar; Rognli, Eline; Konstenius, Maija; Løberg, Else-Marie; Medhus, Sigrid; Tanum, Lars et al. (2012年). “Amphetamine-induced psychosis - a separate diagnostic entity or primary psychosis triggered in the vulnerable?”. BMC Psychiatry 12 (1): 221. doi:10.1186/1471-244X-12-221. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3554477/. 
  11. ^ 内藤裕史 『薬物乱用・中毒百科』 丸善、2011年、41-43頁。ISBN 978-4-621-08325-3


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