Discrete Wavelet Transformとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Discrete Wavelet Transformの意味・解説 

離散ウェーブレット変換

(Discrete Wavelet Transform から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/28 03:42 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

離散ウェーブレット変換(りさんウェーブレットへんかん、: Discrete wavelet transform, DWT)は、数値解析関数解析において、離散的にサンプリングされたウェーブレットを用いたウェーブレット変換アルゴリズムである。本来は異なる物だが、多くのソフトウェアでは多重解像度解析の事を離散ウェーブレット変換と呼んでいる。本項では本来の定義の方をふれ、多重解像度解析に関してはそちらの項目を参照。

概要

最初の離散ウェーブレット変換は、ハンガリーの数学者アルフレッド・ハールによって示された。ハールウェーブレットによる多重解像度解析は、 の長さを持つ数列が入力されると、隣接した値の差分と和を求めるものである。この処理は再帰的に行われ、和の数列は次の処理の入力となる。最終的には、 の差分値と一つの和の値を得る。

この単純な離散ウェーブレット変換は、ウェーブレットの一般的な特性を示している。多重解像度解析の計算量はである。また、この変換は、時間及び周波数の両方の特性をつかむことができる。これら2つの特徴は、高速フーリエ変換と比較した場合の多重解像度解析の大きな特徴である。

もっとも一般的な離散ウェーブレット変換は、ベルギーの数学者イングリッド・ドブシー英語版によって1988年に証明された。この証明では、解像度が以前のスケールの2倍となっていく漸化式によって、もっとも密にサンプリングされたマザーウェーブレットを生成している。彼女の講義資料には、ドブシーウェーブレット英語版と呼ばれるウェーブレットファミリーが提供されており、その中の最古のウェーブレットはハールウェーブレットである。このあと、これをベースとした多くのウェーブレットが開発された。

離散ウェーブレット変換の別の表現としては、定常ウェーブレット変換英語版 (ダウンサンプリングが無い離散ウェーブレット変換)がある。また、関連した変換としては、ウェーブレットパケット英語版複素ウェーブレット変換英語版がある。

離散ウェーブレット変換は、科学工学数学計算機科学の分野で数多くの応用が存在する。 顕著な例としては、信号符号化データ圧縮などに用いられる。特に画像圧縮に対してはモスキートノイズが理論上ほとんど発生しないため、JPEG 2000アルゴリズムにも採用されている。

本来の定義

本来の f(t) に対する離散ウェーブレット変換の定義は、連続ウェーブレット変換の解像度を2倍刻みにした、下記の形である[1][2] はウェーブレット関数。j と k は整数。

逆離散ウェーブレット変換は以下の形である。

しかしながら、これが使われる事は少なく、多重解像度解析が使われる事が一般的である。Mathematica[3]MATLAB[4] をはじめとして、多くのソフトウェアでは、多重解像度解析の事を離散ウェーブレット変換と呼ぶ。多重解像度解析の詳細については、そちらの項目を参照。

参照

  1. ^ I.ドブシー. ウェーブレット10講. ISBN 978-4621062289. 
  2. ^ 榊原 進. ウェーヴレットビギナーズガイド―数理科学. ISBN 978-4501522704. 
  3. ^ DiscreteWaveletTransform—Wolfram言語ドキュメント
  4. ^ Single-level discrete 1-D wavelet transform - MATLAB dwt - MathWorks 日本

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Discrete Wavelet Transform」の関連用語

Discrete Wavelet Transformのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Discrete Wavelet Transformのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの離散ウェーブレット変換 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS