1‐クロロ‐2,4‐ジニトロベンゼン
2,4-ジニトロクロロベンゼン
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/20 03:28 UTC 版)
2,4-ジニトロクロロベンゼン | |
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1-Chloro-2,4-dinitrobenzene
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別称
Dinitrochlorobenzene
Chlorodinitrobenzene 2,4-Dinitrochlorobenzene 2,4-Dinitrophenyl chloride 4-Chloro-1,3-dinitrobenzene |
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識別情報 | |
3D model (JSmol)
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略称 | CDNB; DNCB |
ChEBI | |
ChemSpider | |
ECHA InfoCard | 100.002.321 |
EC番号 |
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PubChem CID
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UNII | |
CompTox Dashboard (EPA)
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特性 | |
化学式 | C6H3ClN2O4 |
モル質量 | 202.55 g mol−1 |
外観 | 淡黄色の結晶状粉末 |
匂い | アーモンドのような |
密度 | 1.6867 g/cm3 |
融点 | 54 °C, 327 K, 129 °F |
沸点 | 315 °C, 588 K, 599 °F |
水への溶解度 | 不溶[1] |
溶解度 | エーテル、ベンゼン、二硫化炭素に溶ける |
屈折率 (nD) | 1.5857 (60 °C) |
危険性 | |
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |
爆発限界 | 2–22% |
致死量または濃度 (LD, LC) | |
半数致死量 LD50
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1.07 g/kg (rat, oral) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
2,4-ジニトロクロロベンゼン(英: 2,4-Dinitrochlorobenzene)はベンゼンの誘導体の一種。DNCBとも表記される。
用途
DNCBはほとんどの人のIV型アレルギーを誘発することから、免疫不全症患者のT細胞の活性の診断に使用される。イボの治療に使用されることもある[2][3]。 DNCBは、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ (GST) の酵素活性試験の基質として使用されている[4]。DNCBが還元型グルタチオン1分子に抱合されると、340 nmのUV吸収が増大する。
ピリジンと反応させると、「ジンケ塩」と呼ばれる反応活性体(N-(2,6-ジニトロフェニル)ピリジニウム塩)が得られる(ジンケ反応)。ジンケ塩は、有機合成に用いられるジンケアルデヒドの原料となる。
安全性
日本の消防法では、ニトロ化合物として第5類危険物に分類される。皮膚・目に対する刺激性があり、特に皮膚に対してはアレルギー性反応を生じることがある[5]。
脚注
- ^ “1-Chloro-2,4-dinitrobenzene”. Sigma-Aldrich. 2014年9月8日閲覧。
- ^ “Treating warts”. Harvard Medical School. 2010年4月2日閲覧。
- ^ Gibbs S, Harvey I, Sterling J, Stark R (2002). “Local treatments for cutaneous warts: systematic review”. BMJ 325 (7362): 461. doi:10.1136/bmj.325.7362.461. PMC 119440. PMID 12202325 .
- ^ Habig WH, Pabst MJ, Jakoby WB (1974). “Glutathione S-transferases. The first enzymatic step in mercapturic acid formation”. J. Biol. Chem. 249 (22): 7130–7139. PMID 4436300.
- ^ “化学物質等安全データシート: 2,4-ジニトロクロロベンゼン” (PDF). 昭和化学 (2011年5月17日). 2011年10月25日閲覧。
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