Arno (書体)とは? わかりやすく解説

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Arno (書体)

(Arno Pro から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/04/02 10:18 UTC 版)

Arno
様式 セリフ
分類 オールドスタイル
デザイナー ロバート・スリムバック
制作会社 Adobe Type
発表年月日 2007年[1][2]

Arno(アルノ)またはArno Pro(アルノ・プロ)は、アドビロバート・スリムバックがプロフェッショナル向けに制作したセリフ体書体ファミリーである[3]。名称は、イタリアルネサンスの中心地フィレンツェを流れるアルノ川に由来する。Arnoはオールドスタイルのセリフ体であり、15世紀から16世紀にかけての多様な書体から着想を得ている[4]。スリムバックは、このデザインを当時のアルディーネ様式とヴェネツィア様式の組み合わせであり、イタリック体ルドヴィコ・デッリ・アリギ英語版カリグラフィーと印刷から影響を受けたものだと説明している[5]

Arnoはキャプションから見出しまで、異なるテキストサイズに対応する個別のフォントとして5種類のオプティカルサイズでリリースされた。さらに、ルネサンス期のカリグラフィーに基づいたスワッシュイタリック体などの代替字形も備えている。その他のOpenType機能として、プロポーショナル数字や表形式数字、オールドスタイル数字、上付き・下付き文字、序数などをサポートしている[5][6]

また、Arnoには初期の印刷物に着想を得たスモールキャピタルや、ディングバット英語版フルーロン(装飾記号)が含まれる。キリル文字や単音・多音アクセント付きギリシア文字、さらにUnicodeラテン拡張を含むダイアクリティカルマーク付きラテン文字もサポートしている。

提供状況

Adobe Originals英語版プログラムの一環として、ArnoはAdobe Creative Suite 3、Adobe Font Folio英語版 11、Adobe Typekitに収録されている。

インスピレーション

Arnoファミリーは、イタリア・ルネサンス期の人文主義的な書体に影響を受けた多目的書体で、書籍デザインに適している。スリムバックは、その目標を「具体的なスタイルを持たせ、可能な限り読みやすくすること」と述べている[5]

評価

Arnoは概ね肯定的な評価を受けている。デザイナーのマーク・サイモンソン英語版は『Typographica』で本文用に「適度にしっかりしている」と評し、イタリック体の代替字形プログラミングの洗練を強調し、これを有効にするとArnoは「ほとんど別の書体になる」と述べた[6]。フォント専門家のスティーブン・コールズは本書体をRequiem英語版と比較した[7]。デザイナーでカリグラファーのポール・ショー英語版は、そのデザインがニュートラルな印象を持つMinionとは異なる、より「生き生きとした」アプローチを示しており、「それでいてBriosoほど自由奔放ではない」と指摘した[8]

2011年には、アメリカ化学会が数十年にわたりTimes Romanを使用してきた後、代表的な学術誌『Journal of the American Chemical Society』を含む複数の学術雑誌の本文フォントとしてArno Proを採用した[9]

オプティカルサイズ

オプティカルサイズ Caption Small Text Regular Subhead Display
推奨ポイントサイズ 8.4未満 8.5 - 10.9 11 - 13.9 14 - 21.4 21.5以上
ウェイト(すべてイタリック体付き) レギュラー、セミボールド、ボールド レギュラー、セミボールド、ボールド レギュラー、セミボールド、ボールド レギュラー、セミボールド、ボールド ライト、レギュラー、セミボールド、ボールド

ライトウェイトはDisplayスタイルにのみ含まれている。スリムバックは、テキストサイズでライトスタイルを使用するのは可読性を損ない「誤りになる」と考えたと述べている[5][7]

受賞

Arnoは、2007年のタイプ・ディレクターズ・クラブ英語版書体デザインコンペティション (TDC2) において、タイプシステム/スーパーファミリー部門で受賞した[10]

また、文書デザインの専門家マシュー・バタリック英語版は、自著『Typography for Lawyers』の印刷版でArnoを使用している[11]

脚注

  1. ^ Identifont”. 2009年10月1日閲覧。
  2. ^ Typedia”. Media Temple. 2009年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月1日閲覧。
  3. ^ Adobe Fonts : Arno
  4. ^ Phinney, Thomas. “Arno Pro, a new Slimbach typeface”. Typekit blog. Adobe. 2015年8月14日閲覧。
  5. ^ a b c d Twardoch, Slimbach; Sousa, Slye (2007). Arno Pro. San Jose: Adobe Systems. オリジナルの2014年8月30日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140830030331/http://wwwimages.adobe.com/content/dam/Adobe/en/products/type/pdfs/ArnoPro.pdf 2015年8月14日閲覧。 
  6. ^ a b Simonson, Mark. “Arno review”. Typographica. 2015年8月14日閲覧。
  7. ^ a b Coles, Stephen. “Comments on typophile thread”. Typophile. 2015年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月14日閲覧。
  8. ^ Shaw, Paul (2008年6月). “Arno review”. Print magazine. 2025年9月20日閲覧。
  9. ^ For the Journal of the American Chemical Society, the change in font, along with numerous other formatting changes, took place between the 3rd and 4th issues of 2011 (vol. 133): J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 643.
  10. ^ Type Directors Club : News : TDC2 2007 Results”. Type Directors Club (2007年). 2008年1月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年2月17日閲覧。
  11. ^ Kupferschmid, Indra (2011年7月5日). “Typography for Lawyers”. Fonts in Use. 2015年8月14日閲覧。

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