アーマー鉄道事故とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > アーマー鉄道事故の意味・解説 

アーマー鉄道事故

(Armagh rail disaster から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/05 03:29 UTC 版)

アーマー鉄道事故(アーマーてつどうじこ、英語: Armagh rail disaster)は、1889年6月12日にアイルランド島北東部アルスター地方アーマー近郊で発生した鉄道事故である[1]。当時のアイルランド島は全島がグレートブリテン及びアイルランド連合王国(イギリス)の領土であったが、事故現場はアイルランド独立後もイギリス領として残った北アイルランドにある。


注釈

  1. ^ こんにちよく知られるホワイト式車軸配置表記は当時は使われていなかった。最初に使われたのは1900年である。
  2. ^ 使われた機関車の形式は明らかではないが、事故報告に記載された特徴によれば、グレート・ノーザン鉄道Hクラス機関車であると思われる。
  3. ^ 緩急車(ブレーキをかける設備のある車両)がここで言う客車として数えられているかどうか、いずれの証言でも不明確である。機関車が牽引してきた車両は、15両の客車、15両の車両、13両の車両と2両の緩急車、などと様々に記載されている。
  4. ^ 1881年のアイルランド国勢調査によれば、アーマーの人口は9000人以下である。臨時列車の企画をした人にはのちに、ウォーレンポイントまでの941人分の旅費として39ポンド4シリング3ペンスの請求書が送られ(バーミンガム・デイリー・ポスト 1889年7月1日月曜日)、このことについて会社はのちに謝罪することになった。
  5. ^ これは臨時列車では標準的な慣行であるとされていたが、しかし1842年のベルサイユ鉄道事故を受けた商務庁奨励事項(客車の扉のうち最低1か所は鍵をかけないでおくこと)、そして1868年のアベルゲレ鉄道事故英語版を受けた奨励事項(客車のすべての扉は鍵をかけないでおくこと)に違反していた。
  6. ^ これは車掌の証言による。
  7. ^ 前半側の車掌の意見によれば、12インチから18インチ(約30センチメートルから45センチメートル)程度である - ウィリアム・ムーアヘッドの証言
  8. ^ 機関士は証言において、機関車には何の問題もなかったが、ブレーキをいろいろいじっていたと興味深い示唆をしている。ブレーキが不適切にかかっていたために、列車の進行が妨げられていた可能性を考慮しなかった理由について、事故報告書では触れていない。オックスフォード・コンパニオンの「イギリス鉄道史」によれば、そのブレーキに関する記事で、直通真空ブレーキについて以下のように触れている。

    初期のインゼクタの不安定な性能のため、ブレーキを緩めているときにも真空度に変動が起きることがあった。これにより、列車を止めるほどではないが、車輪に制輪子が当たることがあり、燃料を浪費することにつながっていた。

    また、ニューアークで1875年に様々な貫通ブレーキ装置が試験された際には、真空ブレーキを装備した列車がブレーキを十分に緩解できずに、通常の速度に到達しなかったということもあった。
  9. ^ 当該路線は時間間隔法で運転されていたので、続行列車より先行列車がゆっくり走ることは危険であった。
  10. ^ ベルファスト選出のトーマス・セクストンが以下のように主張した。

    この悲惨な事故に遭遇した臨時列車ので車掌の役割を務めた2人はニューリー駅の入換手であって車掌業務には未経験であり、当該路線のことにも車掌としての業務にも知識がなく、さらにそのうち1人(ムーアヘッド)は、前日16時間働いており、その日も朝4時から働いており、給料は1週間に11シリングであった。

    これはやや言い過ぎであり、2人とも車掌として過去に何度か乗務経験があった。
  11. ^ 特にクルー選出の議員

出典

  1. ^ Adair, Gordon (2014年6月12日). “Armagh train disaster remembered 125 years on”. BBC News. http://www.bbc.co.uk/news/uk-northern-ireland-27806226 2014年11月2日閲覧。 
  2. ^ Currie, J. R. L. (1971). The Runaway Train: Armagh 1889. Newton Abbot: David & Charles. pp. 109, 129–130. ISBN 0-7153-5198-2 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n Report of the Board of Trade (Railway Department) into the circumstances of the collision near Armagh on 12th June 1889, Maj-Gen C S Hutchinson
  4. ^ a b c , Accident report – evidence of John Foster (the station master)
  5. ^ Accident report – evidence of James Elliott (examined in prison)
  6. ^ a b Accident report – evidence of Thomas McGrath
  7. ^ Accident return – evidence of Thomas Henry
  8. ^ Accident return – evidence of James Park
  9. ^ Accident report – evidence of James Elliott
  10. ^ “THE ARMAGH RAILWAY ACCIDENT.”. South Australian Register (Adelaide, SA : 1839 – 1900) (Adelaide, SA: National Library of Australia): p. 5. (1889年6月24日). http://nla.gov.au/nla.news-article47058909 2011年8月20日閲覧。 
  11. ^ “THE ARMAGH RAILWAY DISASTER.”. The Maitland Mercury & Hunter River General Advertiser (NSW : 1843 – 1893) (NSW: National Library of Australia): p. 3. (1889年8月8日). http://nla.gov.au/nla.news-article18974065 2011年8月20日閲覧。 
  12. ^ “The Armagh Railway Disaster”. Morning Post. (1889年10月28日) 
  13. ^ reply to Francis Channing, House of Commons Debates 18 June 1889 vol 337 cc118-9
  14. ^ House of Commons Debates 21 June 1889 vol 337 cc422-3.
  15. ^ a b [answer to T W Russell, House of Commons Debates 15 July 1889 vol338 c392
  16. ^ House of Commons Debates 11 July 1889 vol 338 cc116-7 116
  17. ^ Speech of Mr Brunner, MP for Northwich; House of Commons Debates 2 August 1889 vol 339 cc 228-30
  18. ^ Nock, O S, Historic Railway Disasters, Ian Allan Publishing Ltd, 1980
  19. ^ Rolt L T C, Red for Danger, Bodley Head/David and Charles/Pan Books, 1956
  20. ^ article on 'Parliament and legislation' (contributor J Simmons) p 366 of J Simmons & G Biddle (eds) The Oxford Companion to British Railway History, (paperback edn) , Oxford, 1999 ISBN 0-19-866238-6


「アーマー鉄道事故」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アーマー鉄道事故」の関連用語

アーマー鉄道事故のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アーマー鉄道事故のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアーマー鉄道事故 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS