鬼押出しの溶岩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 05:57 UTC 版)
鬼押出しは、1783年8月5日(天明3年7月8日)に起きた浅間山の天明大噴火の際に噴出した溶岩流が凝固したものである(長さ5km・幅1〜2km・厚さ約30m)。噴火の際に鬼が暴れて岩を押し出したように見えたといわれることからこの名で呼ばれる。英語でも「Onioshidashi lava flow」と表記される。 鬼押出しの溶岩は、普通の溶岩と考えられてきたが、火砕物が火口周囲に堆積し、熔解して凝固しながら流出した特殊な溶岩であった。天明浅間山噴火も普通の噴火のように、軽石の噴出、火砕流、最後に静かに溶岩が流出したと考えられてきた。しかし鬼押出しの溶岩には、普通の溶岩に少ない、鉱物の結晶が破砕されたもの、山を構成する岩石の断片、酸化した火砕物を多く含むことは、金沢大学や日本大学のグループが独立に指摘してきた。これらの特徴は、爆発的に噴き上げられた火砕物が積もり、急傾斜のために流れたとすると説明がつくという。
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