高橋幸八郎とは? わかりやすく解説

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高橋幸八郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/05 13:03 UTC 版)

高橋 幸八郎 (たかはし こうはちろう、1912年6月1日 - 1982年7月21日[1])は、日本の歴史学者。専門は西洋経済史フランス史

経歴

福井県今立郡河和田村(現在の鯖江市河和田町)の地主の家に生まれる。1929年第一高等学校文科甲類に進学[2]し、1932年に卒業[3]。同年、東京帝国大学文学部西洋史学科入学。同期入学に林健太郎秀村欣二らがいる[4]1935年に卒業[5]し、大学院に進学する[6]東京市立上野中学校教諭[7]等を経て、1941年京城帝国大学助教授に任じられる[8]。1947年東京大学社会科学研究所赴任。1950年5月に助教授、1952年6月に教授となる[9]。その間、1952年から1953年にフランス政府招聘客員教授も務めた。1973年に退任[9]し、名誉教授となる[1]。 また、1943年12月に、家名の八郎右衛門を襲名する[10]

人物

卒業論文「英仏協商の展開(1904-1906年)」では国際関係史を主題に選び実証的な研究を行うが、のちに理論的な側面に関心を強め、社会経済史へと方向を転回していく。

マルク・ブロックジョルジュ・ルフェーヴルと手紙を通じて親交を深め、とりわけ後者からは長きに渡って薫陶を受ける[11]

英語圏で展開された「封建制から資本主義への移行論争フランス語版ドッブスウィージー論争)」[注釈 1]において日本の経済史家の立場から論陣を張り、イギリス史の大塚久雄と並んで戦後歴史学の立役者とされる。

後半生は国際歴史学会理事、土地制度史学会代表理事などを務め、歴史家相互の対話促進や後進の育成に尽力した。

主な著作

共編著

  • 大塚久雄松田智雄)『西洋経済史講座——封建制から資本主義への移行(全5巻)』(岩波書店、1960〜62年)

共訳書

参照文献

  • 遅塚忠躬「高橋幸八郎」(『20世紀の歴史家たち(1)』刀水書房、1997年、245〜258頁)
  • 高澤紀恵「高橋・ルフェーヴル・二宮」(『思想』1048号、2011年8月、120〜140頁)

参考文献

  • 「高橋幸八郎教授略歴,業績目録 (経済史研究とその国際交流--社会科学研究所25年間の回顧とともに)」東京大学社会科学研究所 / 東京大学社会科学研究所 編「社會科學研究」24(2) 1972年 p188~199
  • 東京大学百年史編集委員会『東京大学百年史 資料三』東京大学、1986年http://hdl.handle.net/2261/00078990 

脚注

注釈

  1. ^ 英語版記事「資本主義の歴史英語版」も参照。

出典

  1. ^ a b 東京大学百年史編集委員会 1986, p. 45
  2. ^ 『官報』第684号, 昭和4年4月13日, p.379.NDLJP:2957150/8
  3. ^ 『官報』第1601号, 昭和7年5月5日, p.107.NDLJP:2958072/8
  4. ^ 『官報』第1593号, 昭和7年4月23日, p.701.NDLJP:2958064/11
  5. ^ 『官報』第2500号, 昭和10年5月7日, p.180.NDLJP:2958979/13
  6. ^ 『東京帝国大学要覧 昭和10年度』東京帝国大学、1935年7月5日、278頁。NDLJP:1453462/145 
  7. ^ 中等教科書協会 編『師範学校中学校職員録 昭和14年5月現在(第36版)』中等教科書協会、1939年9月1日、31頁。NDLJP:1452150/36 
  8. ^ 『官報』第4443号, 昭和16年10月29日, p.901.NDLJP:2960942/19
  9. ^ a b 東京大学百年史編集委員会 1986, p. 216
  10. ^ 「高橋幸八郎先生年譜・著作目録」『経済史学』第14号、早稲田大学経済史学会、1974年、3-16頁、国立国会図書館書誌ID:1528807 
  11. ^ 二宮宏之「高橋幸八郎先生を悼む」『土地制度史学』第25巻第1号、土地制度史学会、1982年、74-75頁、doi:10.20633/tochiseido.25.1_74 

外部リンク

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