金川層
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/01 02:15 UTC 版)
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金川層 | |
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読み方 | かなかわそう |
英称 | Kanakawa Formation |
地質時代 | 後期三畳紀カーニアン期 |
分布 | 岡山県岡山市北区御津金川周辺 |
岩相 | 泥岩、砂岩 |
産出化石 | 二枚貝、腕足動物 |
金川層(かなかわそう[1])は、岡山県岡山市北区御津金川周辺に分布する[2]、砂岩と泥岩で構成された堆積岩の地層[3]。上部三畳系カーニアン階であり[4]、下部三畳系の大野層やペルム系の舞鶴層群とともに舞鶴帯を構成する[3]。化石としては二枚貝が多産し、稀に腕足動物が産出する[4]。
金川層は下部から順に黒色泥質頁岩層、青灰色砂岩、黒色泥質頁岩層に三分される[4]。砂岩は石英・斜長石・正長石に富んだ淘汰の良いアルコース質の中砂あるいは粗砂を主体とする[4]。頁岩の層理はやや不明瞭である[4]。
化石は上部の頁岩層のうち基底に近い層準のみから産出しており、福井県西部に分布する難波江層群のものに類似する化石群集が得られている[4]。産出した具体的な分類群は、中澤・清水 (1962)によれば以下の通りである[4]。これらの中では特にModiolus属未定種が多産し、またSchafhautlia nakazawaiも普通に見られる[4]。
- 二枚貝類(軟体動物)
- Modiolus sp.
- Schafhautlia nakazawai
- Halobia sp.
- Bakevellia cf. saekii
- Palaeopharus maizurensis
- 腕足動物
- Lingula sp.
出典
参考文献
- 中沢圭二、清水大吉郎「岡山市北方金川周辺の二畳・三畳系」『地質学雑誌』第68巻第806号、1962年、662-664頁、doi:10.5575/geosoc.68.662。
- 中澤圭二、Roger Lyman BATTEN、鈴木茂之、宇和田英人「岡山市北部の舞鶴帯から産出した二枚貝・巻貝化石」『岡山大学地球科学研究報告』第15巻第1号、岡山大学理学部地球科学教室、2008年、1-8頁。
- 鈴木茂之、松原尚志、松浦浩久、檀原徹、岩野英樹「岡山市周辺の吉備高原に分布する古第三系「山砂利層」と海成中新統」『地質学雑誌』第115巻Supplement、S139-S151、doi:10.5575/geosoc.115.S139。
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