資本分配線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 09:14 UTC 版)
「現代ポートフォリオ理論」の記事における「資本分配線」の解説
リスク資産からなるポートフォリオの収益率を R p {\displaystyle R_{p}} とし、自己の資金をリスク資産からなるポートフォリオへ 100 α {\displaystyle 100\alpha } パーセント投資し、無リスク資産へ 100 ( 1 − α ) {\displaystyle 100(1-\alpha )} パーセント投資するポートフォリオの収益率を R c {\displaystyle R_{c}} とすれば、期待収益率と収益率の標準偏差について以下の関係が成立することは先ほど述べた。 E ( R c ) = ( 1 − α ) r f + α E ( R p ) {\displaystyle \operatorname {E} (R_{c})=(1-\alpha )r_{\mathrm {f} }+\alpha \operatorname {E} (R_{p})} σ c = Var ( R c ) = α Var ( R p ) = α σ p {\displaystyle \sigma _{c}={\sqrt {\operatorname {Var} (R_{c})}}=\alpha {\sqrt {\operatorname {Var} (R_{p})}}=\alpha \sigma _{p}} この2式から α {\displaystyle \alpha } を消去して変形すると次の式が得られる。 E ( R c ) = r f + E ( R p ) − r f σ p σ c {\displaystyle \operatorname {E} (R_{c})=r_{\mathrm {f} }+{\frac {\operatorname {E} (R_{p})-r_{\mathrm {f} }}{\sigma _{p}}}\sigma _{c}} この式の右辺を σ c {\displaystyle \sigma _{c}} を引数とした関数と見なせば、この式はリスク・リターン平面上では直線となる。そこでこの式を資本分配線(英: capital allocation line)と呼ぶ。この式はリスク資産からなるポートフォリオをあらかじめ決めておいて、あるリスクの値 σ c {\displaystyle \sigma _{c}} を取った時に、当初に決めたリスク資産からなるポートフォリオと無リスク資産への2つの資産への投資でどの程度の期待収益率 E ( R c ) {\displaystyle \operatorname {E} (R_{c})} が得られるかを表している。右辺における傾きの部分 E ( R p ) − r f σ p {\displaystyle {\frac {\operatorname {E} (R_{p})-r_{\mathrm {f} }}{\sigma _{p}}}} が大きければ大きいほど少ないリスクで高い期待収益率を得ることが出来る。この傾きの値はリスク資産からなるポートフォリオをどのように組成するかで決まる。
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