負けへんで!
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/02 15:32 UTC 版)
負けへんで!(まけへんで!)は、山岸忍の著書。
概要
著者自身が逮捕された冤罪事件についてを書く。この事件は第二の村木事件と称されるほどの冤罪事件であったとのこと。検察とは正義ではなかったとのこと[2]。
プレサンスコーポレーションと明浄学院高等学校を経営している学校法人明浄学院が関連する21億円もの横領事件が起き、山岸忍もこの事件に巻き込まれていた。山岸自身はこの事件でどのような目に遭っていたのかを書いた書籍[3]。山岸が逮捕されてからのことが書かれており、それから無罪判決を勝ち取るまでの過程が、当時の心情と共に述べられている[4]。山岸は2019年12月に逮捕されたのであるが、それからの248日にも及ぶ拘留に耐えて、弁護士と共に無罪判決を勝ち取るまでの全記録が述べられている。山岸は土地の売買をめぐり業務上横領の濡れ衣を着せられていたとのことであった[5]。
山岸は大阪拘置所の中では不動産会社であるオープンハウスの社長と接見を行ったのことで、そこで行われたオープンハウス側との株式売買に関する緊迫のやり取りについても述べられている[6]。地方検察庁の特別捜査部の驚くべき取調べの方法についても述べられている[7]。
検察庁で行われた検事とのやり取りについても述べられており、それは漫才のようであったとのこと。そこでは検事は肝心なことは記憶に無いとして答えずに押し通していたとのこと。一審判決で無罪判決が出た後に、この検事は控訴するかしないかの審議に関わっていたものの、なぜ控訴をしなかったのかを明らかにしなかったとのこと[8]。
この書籍によると山岸の部下の取調べの際に検事は、その部下に対して会社が非常な損害を受けたり、株価が下がったりすれば、その損害は10億や20億ですまないのだが、あなたはその損害を賠償することができますかと恫喝していたとのこと。そしてこの映像は法廷でも流されていたこととのこと[9]。
無罪判決を得てからの山岸は、京都で規模の小さい不動産デベロッパーの会社を立ち上げて再起を図っているとのこと。プレサンスコーポレーションにいた頃には大手を振って、トップからのワンマン経営で会社を急成長させたが誰にも相談できなくなっていたことを反省して、この時点では部下に叱り付けることもやめているということなどの経験もこの書籍では述べられている[10]。
この書籍の発売直前には、大阪地方裁判所が取調官の言動について特別公務員暴行陵虐罪の疑いがあるということを認めていたために話題となっていた。この書籍は発売前から話題を呼んでいたために、発売前より増刷が決定していた。発売直後にはAmazon新着ランキング法律・政治・社会の部門で1位、ジュンク堂難波店で政治・経済・法律の部門で1位となっていた[11]。
山岸は、この事件をきちんと後世に残さなければならないという思いから、この書籍を著して出版することにしていた[12]。
脚注
- ^ “負けへんで! : 東証一部上場企業社長vs地検特捜部 | NDLサーチ | 国立国会図書館”. 国立国会図書館サーチ(NDLサーチ). 2025年10月2日閲覧。
- ^ “検察は正義ではなかった『負けへんで! 東証一部上場企業社長vs地検特捜部』山岸忍 | 単行本 - 文藝春秋”. 文藝春秋BOOKS. 2025年10月2日閲覧。
- ^ “2,000億企業の創業者が体験した「人質司法」”. 刑事弁護オアシス. 2025年10月2日閲覧。
- ^ 新庄耕. “検察官の誘導テクニックは、一流の不動産営業マンに似ている──作家・新庄耕が、プレサンス元社長・山岸忍に聞く【前編】 | 新庄耕「商人の土地」 | よみタイ”. 2025年10月2日閲覧。
- ^ 忍, 山岸 (2023年4月14日). “無実の罪で勾留248日、2000億円企業を失うことに…東証一部上場・プレサンス創業社長を襲った「冤罪事件」の発端は”. 文春オンライン. 2025年10月2日閲覧。
- ^ 新庄耕. “冤罪事件のきっかけと『地面師たち』に共通した〈気持ち悪さ〉──作家・新庄耕が、プレサンス元社長・山岸忍に聞く【後編】 | 新庄耕「商人の土地」 | よみタイ”. 2025年10月2日閲覧。
- ^ “㈱TUKUYOMI HOLDINGS 代表取締役 山岸忍氏【シリーズ 風貌〜私の経営哲学〜】 | ロンダン” (2023年10月23日). 2025年10月2日閲覧。
- ^ “チーママと呼ばれた女性検事は「法廷に呼ばれ、心外」と語った。プレサンス元社長冤罪事件国賠で証人尋問(赤澤竜也) - エキスパート”. Yahoo!ニュース. 2025年10月2日閲覧。
- ^ “公判4日前に起訴取消し、それでも「謝罪はしません」と強弁した東京地検・女性検事の行状【大川原化工機冤罪事件】(3ページ目)”. デイリー新潮 (2023年9月15日). 2025年10月2日閲覧。
- ^ “冤罪の被害額は70億円、248日間の独房暮らし 「それでも検察は謝罪も検証もしないのか!」東証1部上場企業創業者の怒り”. 47NEWS. 2025年10月2日閲覧。
- ^ 西愛礼 (2023年4月18日). “『負けへんで』出版のお知らせ”. 後藤・しんゆう法律事務所. 2025年10月2日閲覧。
- ^ “特捜部によって作られた冤罪事件(プレサンス元社長冤罪事件)”. NewsPicks (2024年1月22日). 2025年10月2日閲覧。
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