複数のエンハンサーによる発生の頑健性の促進
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 02:31 UTC 版)
「エンハンサー」の記事における「複数のエンハンサーによる発生の頑健性の促進」の解説
重要な発生過程に関与する遺伝子の一部には、重複する機能を持つ複数のエンハンサーが存在する。"Secondary enhancer"や"shadow enhancer"と呼ばれるエンハンサーは、"primary enhancer"から数千塩基対も離れた場所に位置している場合がある。この場合、"primary"という語は最初に発見されたエンハンサーを指し、それらは調節する遺伝子に近接して存在していることが多い。どちらのエンハンサーはほぼ同一なパターンの遺伝子発現を駆動するが、近年の研究では、ショウジョウバエがこうした複数のエンハンサーによって温度上昇などの環境変化を生存していることが示されている。高温で生育した場合、単一のエンハンサーでは発現の完全なパターンの駆動に失敗することがあるが、双方のエンハンサーが存在する場合には正常な遺伝子発現が行われることが示されている。
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