裾の厚い分布とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 裾の厚い分布の意味・解説 

裾の重い分布

(裾の厚い分布 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/01 18:54 UTC 版)

2015年から2017年の2年間におけるユーロ/米ドル為替レートの分単位の変動によって示された、裾が厚い分布の例です。 極値(図の右側)は、指数分布の確率変数よりも数桁高い頻度を示しています。Guerriero et al. (2025) より改変。[1]

裾の重い分布あるいはヘヴィーテイルとは、確率分布ガウス分布のように指数関数的には減衰せず[2]、それよりも緩やかに減衰する分布の総称。 また類似の用語に、ファットテイル、裾の厚い分布、ロングテール、劣指数的 (subexponential) などがある。

定義

裾の重い分布(ヘヴィーテイル)

本記事冒頭部に日本語で記載されている定義を数学的に表すと以下のようになる。

確率変数 X の累積確率分布関数 F

と書いたとき、以下を満たす確率分布は(右)裾の重い分布(ヘヴィーテイル)である。

ファットテール

裾の重い分布の中でも裾の分布がべき乗則にしたがって減衰する分布をファットテールと呼ぶことが多い。

ロングテール

確率変数 X がすべての t > 0 について以下を満たす確率分布はロングテールである。

これは累積確率分布関数を F として以下と同じである。

簡単にいえば、x → ∞ ではほとんど減衰しない裾を持つ分布である。

ヘヴィーテイル分布の例

片側ヘヴィーテイル

両側ヘヴィーテイル

裾指数の推定

最尤法(MLE)を用いて裾指数を推定することができる。代表的な裾指数の推定方法には次の推定法がある。

  • Pickands tail-index
  • Hill tail-index

ソフトウェア

関連項目

脚注

  1. ^ Guerriero, Vincenzo; Tallini, Marco (2025-06-01). “Power law distribution and multi-scale analysis in Earth sciences, finance, and other fields: Some guidelines to parameter estimation” (英語). Chaos: An Interdisciplinary Journal of Nonlinear Science 35 (6). doi:10.1063/5.0259215. ISSN 1054-1500. https://pubs.aip.org/cha/article/35/6/063102/3348096/Power-law-distribution-and-multi-scale-analysis-in. 
  2. ^ Steady-State Properties of of GI/G/1. 51. (2003). pp. 266–301. doi:10.1007/0-387-21525-5_10. 
  3. ^ John P. Nolan (2009年). “Stable Distributions: Models for Heavy Tailed Data” (PDF). 2009年2月21日閲覧。 [リンク切れ]
  4. ^ Stephen Lihn (2009年). “Skew Lognormal Cascade Distribution”. 2014年4月3日閲覧。
  5. ^ Crovella, Mark E.; Taqqu, Murad S. (1999). Methodology And Computing In Applied Probability 1 (1): 55–79. doi:10.1023/A:1010012224103. ISSN 13875841. 



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「裾の厚い分布」の関連用語

1
38% |||||


裾の厚い分布のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



裾の厚い分布のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの裾の重い分布 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS