脳幹の血管支配
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/04 15:57 UTC 版)
ヒトの場合で説明する。脳幹、および小脳は椎骨動脈系で栄養される。椎骨動脈は前脊髄動脈と後下小脳動脈 (PICA) を分枝した後、左右が合流して脳底動脈となる。脳底動脈は基本的に橋腹側部の脳底溝に沿って上行し、中脳の脚間窩で左右の後大脳脳脈 (PCA) に分枝する。脳底動脈からの主要分枝は前下小脳動脈 (AICA) と上小脳動脈 (SCA) であるが、他に橋動脈という穿通枝も分枝している。橋動脈には傍正中動脈、短回旋動脈、長回旋動脈の3群が知られている。 延髄の支配血管 延髄を灌流する血管は前内側延髄枝、前外側延髄枝、外側延髄枝、後延髄枝の4本が知られている。前内側延髄枝は椎骨動脈と前脊髄動脈から形成される。前外側延髄枝は前内側延髄枝から分枝する。外側延髄枝は後下小脳動脈 (PICA)、椎骨動脈、脳底動脈の枝で形成される。後延髄枝は前下小脳動脈 (AICA) から形成される。 橋の支配血管 橋の血管支配は脳底動脈から分枝する3種類の穿通枝、橋動脈と言われる傍正中動脈、短回旋動脈、長回旋動脈の3群によって橋腹側部と橋被蓋が栄養される。他には前下小脳動脈 (AICA) や上小脳動脈 (SCA) も関与する。 中脳の支配血管 中脳の還流域は正中、外側、背側の各領域に分けられる。正中領域には脳底動脈から分枝する動脈が分布する。外側領域、背側領域では後大脳動脈からの枝が分枝する。一部には前脈絡叢動脈からの枝も分布する。
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