胃のクロム親和性細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/20 04:51 UTC 版)
胃においてクロム親和性の染色像を示す細胞群が見られ、これらはそれぞれクロム親和性細胞(英: Enterochromaffin Cells、EC細胞)及びクロム親和性細胞様細胞(英: Enterochromaffin-like Cells、ECL細胞)と呼ばれる。EC細胞は胃腸におけるオータコイドであるセロトニンの産生に関与している。またECL細胞は顆粒内にセロトニンは含有せずヒスタミンを貯蔵し、胃酸の分泌に関与している。胃のECL細胞は胃粘膜表面積の1~3%を占める。アセチルコリン及び胃幽門部上皮に存在するG細胞により分泌されたガストリンの刺激によりヒスタミンを分泌する。ヒスタミンは胃酸分泌において最も重要な因子であると考えられており、ECL細胞の細胞質に存在するヒスチジン脱炭酸酵素(英:Histidine Decarboxylase、HDC)によって産生される。ヒスタミンの分泌小胞への蓄積は2型小胞モノアミン輸送体(英:Vesicular Monoamine Transporter Subtype 2、VMAT2)を介したH+-ヒスタミンの対向輸送により行われ、その駆動力となるのがV型ATPアーゼによって作られるH+濃度勾配である。ヒスタミンが壁細胞上の2型ヒスタミン受容体(H2受容体)に結合することにより、胃酸の分泌を引き起こされる。
※この「胃のクロム親和性細胞」の解説は、「胃粘膜」の解説の一部です。
「胃のクロム親和性細胞」を含む「胃粘膜」の記事については、「胃粘膜」の概要を参照ください。
- 胃のクロム親和性細胞のページへのリンク