篠崎狐
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/12 08:19 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動篠崎狐(しのざきぎつね)は、江戸時代の奇談集『梅翁随筆』に登場する化け狐。
概要
武州篠崎村(現・東京都江戸川区篠崎[1])に、4匹の悪戯狐が住んでいた。
ある夏の日のこと。草原で狐たちが昼寝しているところへ、1人の行商人が通りかかった。商人は日頃の悪戯の仕返しとばかりに、大声で狐たちを脅かした。狐たちは飛び起き、慌てて駆け去っていった。
その日の夕方。行商人が知人宅に立ち寄ると、その家の女房が亡くなったとのことであった。家の主人は野辺送り(亡くなった人を埋葬地まで見送ること)に行くと言い、行商人に留守を預けて家を出て行った。
行商人がその家で主人の帰りを待っていたところ、女房の亡霊が現れ、行商人に噛み付いてきた。行商人は悲鳴を上げ、血を流しながら逃げ惑った。そこへ通りかかった農夫は、さてはあの悪戯狐に化かされたかと、行商人に水をひっかけたところ彼は正気に戻った。
反省した行商人は、あの狐たちが昼寝していた場所へ行き、小豆飯と油揚げを備えて謝ったということである。
脚注
- ^ 村上健司編著『日本妖怪大事典』角川書店〈Kwai books〉、2005年、167頁。ISBN 978-4-04-883926-6。
参考文献
- 著者不詳「梅翁随筆」『奇談異聞辞典』柴田宵曲編、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2008年、310-311頁。 ISBN 978-4-480-09162-8。
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