第5章 ふたりだけの丘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 17:02 UTC 版)
「アポロの歌」の記事における「第5章 ふたりだけの丘」の解説
昭吾は第3章からの逃走の途中で、渡ひろみという女性と出会う。ひろみの話によれば、彼女は引退した陸上選手で、逃走する昭吾の姿に陸上の才能を見出したのだった。彼女は昭吾をかくまう代わりに、陸上の練習をさせる事を約束させる。それから山奥で二人きりの生活が始まる事となった。 そうした生活の中、昭吾はひろみに淡い恋心を抱くようになるが、ある日昭吾が練習を終え、二人の暮らすロッジに入ろうとすると、中からひろみが誰かと話す声が聞こえていた。相手は、昭吾が入院していた精神病院の医師だった。精神病院の医師に「昭吾を愛していないのか」と問われたひろみは一瞬はっとしたが「愛していない」と答えた。そのことをかげで聞いてしまった昭吾は、絶望し飛び出して行った。 医師のアポロに追われ、月桂樹になったダフネになぞられ、「月桂樹になれ」との言葉に一度は起つひろみであったが、途中彼女もまた、昭吾を愛していることに気付き引き返した。崖から身を投げようとする昭吾を突き飛ばし、ひろみは逆に命を落とす。心中した男女との関係から警察に追われた昭吾はガソリン置場に立てこもったが、警察隊はガソリンタンクに発砲し、昭吾はひろみの遺体と自分の命を共にした。
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