立ち乗りスクーターとは? わかりやすく解説

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立ち乗りスクーター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/16 16:13 UTC 版)

立ち乗りスクーターを駆るミハエル・シューマッハ

立ち乗りスクーター(たちのりスクーター)とは、ガソリンエンジン電気モーターで走行する、座席を持たないスクーターである。

概要

確認できるものでは1915年にアメリカで発売された、前輪にガソリンエンジンを備える「Autoped」が最初の製品であった。その後、1985年に後輪にエンジンを搭載した「Go-Ped Sport」が発売され、電動を含むその後の立ち乗りスクーターの基本型となった。自転車やオートバイのように前後に車輪を配置する二軸二輪式でレジャー用の製品が多いが、警備用の三輪式(T3 Motion)、公道用の四輪式(エスティーバ)も登場している。

名称は英語の「Stand-up Scooter」(スタンドアップスクーター)、「Standing Scooter」(スタンディングスクーター)を日本語にしたものだが、特定の商品名が一般名詞的に用いられて「ゴーペッド」、「電動キックボード」、「電動スケータ」とも呼ばれた。2001年に発表されたセグウェイが『立ち乗りの電動スクーター』として報道されることが多かったことから、日本では現在、セグウェイに類似する形態のものとそれ以前から存在していた形態のものとを含めた総称として立ち乗りスクーターと呼ぶようになっている。

特徴

素材と重量

電動スクーターは、プラスチック、スチール、アルミニウム、カーボンで作られている[1][2][3]。軽いモデルは約7kg、重いモデルは20kgを超えることもある。大人用スクーターは通常、体重100ポンド(約8.5kg)までの人を乗せることができる[4]

エンジンとバッテリー

電動スクーターは電気モーターで動く[5][6]

電動モーターの電力は、プラットフォームの下、ハンドルバー、またはフロントタイヤ部分に取り付けられたバッテリーから供給される[7][8]。ほとんどのモデルはリチウムイオンバッテリーを使用しており、その仕様はボルト(通常は48V)とアンペア時(Ah)で表され、性能は電圧にアンペア時(Ah)を掛けることでワット時(Wh)で計算することができます。

一方、例として、5Ahのバッテリーを搭載したスクーターの充電時間は約4~6時間で、航続距離は約20kmである。

バッテリーの寿命を延ばすには、満タンにしすぎず、放電しすぎないように保管するのがよい。このようなバッテリーは、10~90%の充電状態で保管するのが理想的です[9][10]

スピード

電動スクーターが到達できる速度は、とりわけ、電動モーターの強さ、ライダーの体重、勾配、道路状況に左右される。通常、平坦な路面でのスクーターの速度は、工場出荷時に時速25kmになるようにあらかじめ設定されています。最高時速50kmのモデルもある。使用可能年齢とスピードは各国の法律で定められている。

ブレーキ

電動スクーターは通常、片側に前輪用の電動ブレーキ、もう片側に機械式ブレーキという2つの独立したブレーキを持っている[11][12]。ブレーキシステムにはディスクブレーキとドラムブレーキがある。上級モデルには、回生ブレーキまたは回生ブレーキと呼ばれるブレーキが装備されている。このブレーキは、ブレーキをかけるたびにエネルギーを回収し、バッテリーを何度も充電できるという利点がある。

日本での法的位置づけ

電動機や内燃機関付きの立ち乗りスクーターは、法令上、道路交通法および道路運送車両法の双方で、原動機付自転車または自動車扱いとなる。2019年時点、パルウェイ(Palway)やエアホイール(Airwheel)といったブランド名で、道路運送車両の保安基準に適合した公道走行可能な製品の販売が始まっている。一方で多くの電動立ち乗りスクーターが、公道を走行できない形態で販売されている。

2000年代初頭に、キックスケーターブームに伴って電気モーターを搭載した製品も数多く輸入され、店によってはこれらを「免許不要」「公道可能」と謳って販売していたため[13][14]、合法と信じてそのまま歩道を含む公道を走る利用者が現れた。2002年9月に、歩行補助車としての条件に適合しない立ち乗りスクーターによる事故が兵庫県で発生し、運転者は「原動機付自転車の無免許運転」として書類送検された[15]警察庁は同年11月に「『電動キックボード』や『電動スクーター』の類は全て原動機付自転車とみなす」との声明を出した[16]

2022年に立ち乗りスクーターを意識した特定小型原動機付自転車制度が作られた。

脚注

  1. ^ How Electric Scooters Are Made: A Comprehensive Guide”. www.levyelectric.com. 2024年10月16日閲覧。
  2. ^ How Do Electric Scooters Work?”. unagiscooters.com. 2024年10月16日閲覧。
  3. ^ Electric Scooter Cost – Why The Right One Is Costly?”. sturdywheel.com. 2024年10月16日閲覧。
  4. ^ How much does a Scooter Weight”. autobahoo.com. 2024年10月16日閲覧。
  5. ^ What is an e-scooter or Electric Scooter?”. mobilityarena.com. 2024年10月16日閲覧。
  6. ^ The electric scooter: what it is and the regulations governing its use”. www.endesa.com. 2024年10月16日閲覧。
  7. ^ Electric Scooter User Guide — What is an Electric Scooter?”. blog.geekbuying.com. 2024年10月16日閲覧。
  8. ^ How Do Electric Scooters Work?”. foldandride.com. 2024年10月16日閲覧。
  9. ^ How Can I Extend The Life Of My E-Scooter Battery?”. vmax-escooter.us. 2024年10月16日閲覧。
  10. ^ How to Store Electric Scooter?”. voltagerider.com. 2024年10月16日閲覧。
  11. ^ Electric Scooter: Definition, Parts, Working, Battery, Charging”. www.mechstudies.com. 2024年10月16日閲覧。
  12. ^ How to Ride an Electric Scooter Safely”. www.voromotors.com. 2024年10月16日閲覧。
  13. ^ “電動スケーターは原付バイクとみなす---兵庫県警が初見解”. Response.jp. https://response.jp/article/2002/10/25/20407.html 
  14. ^ 当時は「遊具なので公道可」といったデマが流れていた。
  15. ^ “電動モーター付きスケーターはやっぱり原付---運転者を無免許で書類送検”. Response.jp. https://response.jp/article/2002/11/08/20706.html 
  16. ^ 平成14年11月・警察庁交通局『いわゆる「電動キックボード」及び「電動スクーター」について』

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