神学の回答
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 06:48 UTC 版)
伝統的には、神は全知・全能・全善として理解されてきた。しかし、そのような理解は脆い(vulnerable)。例えば、「神は余りに重過ぎて持ち上げられない岩を創造できるか」という命題は、神の論理的自己矛盾を示しており、神学の言語がいかに論理的に脆弱かを暗示している。 ライプニッツの主張から考えると、神が全能であれば、神は人間に悪いことをできる自由を与えると同時に、悪いことをできない不自由を与えることが出来る。言い換えれば、全能者は「四角い円や結婚している独身の男を創造できる」ということであり、矛盾している(郷義孝の論)。 有神論には、全能者がなし得ることに不可能はないという前提が含まれている。プランティンガによれば、この前提は論理的に正しくない。例えば、全能者が「四角い円」を創造することや「7+5=75」にすることは一見可能だが、それは論理的不可能だからである。 全能者はどんなことでもなし得る、と考えることはできないとプランティンガは言う。極端な例を上げれば、全能者は自分を、”永遠にいかなる意味でも存在しない”ようにすることはできない。
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