環と加群の準同型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 15:09 UTC 版)
R, S を環とする。環は零元を基点に持つ代数系であり、0R, 0S をそれぞれ R, S の零元とすれば、環準同型 f: R → S の核は Ker f := { r ∈ R ∣ f ( r ) = 0 S } {\displaystyle \operatorname {Ker} f:=\{r\in R\mid f(r)=0_{S}\}} となる。これは始域 R の部分環であり、さらに R のイデアルとなる。 環を加法についてみれば可換群であるから、群準同型について述べたことは加法についてはそのまま通用する。したがって、f: R → S の核 Ker(f) が Ker(f) = {0R} を満たすことと f は単射であることとは同値である。 同様に、M, N を R-加群とすれば、それぞれの零元 0M, 0N を基点として、R-加群の準同型(R-線型写像)f: M → N に対し、 Ker f := { m ∈ M ∣ f ( m ) = 0 N } {\displaystyle \operatorname {Ker} f:=\{m\in M\mid f(m)=0_{N}\}} が f の核となる。やはり Ker(f) は始域 M の 部分 R-加群である。ここでも核が自明なこととその準同型が単射であることとが同値となる。なお、体上の加群であるベクトル空間の核については零空間も参照されたい。
※この「環と加群の準同型」の解説は、「核 (代数学)」の解説の一部です。
「環と加群の準同型」を含む「核 (代数学)」の記事については、「核 (代数学)」の概要を参照ください。
- 環と加群の準同型のページへのリンク