牧場事業の撤退
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 15:16 UTC 版)
ウオッカが引退した2010年ごろより雄三は体力の低下を感じ、オーナーブリーダーとして長期的展望に基づく活動はできなくなると考えはじめた。ビッグウィークの活躍により牧場の整理は延びたが、2012年2月9日に栗東トレーニングセンターで記者会見を開き、カントリー牧場を3月で解散することを正式に発表。アイルランドで繋養中のウオッカとその産駒を除く所有馬は岡田スタッドへ、諸施設は千代田牧場へ売却されることも合わせて発表した。雄三は後日の取材において自身のカントリー牧場での活動を総括し次のように語った。 1990年頃に新しい土地を探して、もう一度改革しようとしたわけですから、馬づくりを諦めなかったことだけは確かです。父の代から、ずっとチャレンジャーではあったんでしょうね。目指したのは、強い馬より丈夫な馬でした。丈夫な馬づくりを心がけて、その延長線上に強い馬を追い求めた……そんな40年であったように思います。ただ、馬に関しては、「この馬にこのタネ馬をつけたらこうなる」といった"方程式"を見つけることはできませんでした。他の事業のように、跡を継ぐ人物に伝えるべき具体的な"何か"が手にできない以上、牧場は僕の代で終わっていい、とずっと考えていました。これほどの結果が残せた理由については、スタッフと運に恵まれた、としか言いようがありません。まさに幸運のひと言に尽きます。もしも、あのまま低迷が続いていたら、まだ牧場を続けていたかもしれませんし、今なお誇れるほどの名馬が作れていなかったら、フラフラになるまで挑戦し続けたかもしれませんね。いい馬に巡り会えたからこそ、このタイミングでの卒業だと、自分では感じています。
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