無限責任の会社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 05:24 UTC 版)
無限責任とは、出資者が「出資の範囲を超えてまで」企業の債務返済を果たすべき責任である。その出資者を無限責任社員という。 有限責任では、出資者は自らの「出資額の範囲内」で企業の債務返済を果たす。有限責任を負う出資者を有限責任社員という。 個人企業の経営者は無限責任社員である。個人企業は上場していないので、キャピタルゲインはしないし、儲かった場合の配当金といっても、自分がすべてもらうだけである。逆に損失が出れば、すべて自分で償わなければならない。 自己資本100万円を投資して、200万円の赤字が出た場合、その経営者が償うのは自己資本の100万円だけでいいということはなく、200万円すべてを経営者が負担しなければならない。すなわちこの場合、経営者が負担する責任は出資額にかかわらず、その企業の負担額全額である。 無限責任を負う出資者のみで構成される集団企業を合名会社という。 先程の100万円を出資する経営者は、同じ100万円を出資してくれて完全に対等に経営してくれる人をもう一人見付ければ、2人の共同経営者、自己資本200万円の集団企業となる。利益が出れば2人で山分けとなるが、もし大きな損失を出せば、2人の経営者は自らの出資金100万円に関係なく、企業の損失全額を負担する無限責任を負う。 無限責任社員に加えて、有限責任社員を含めて自己資本を構成する集団企業を合資企業という。 有限責任社員は、無限責任社員を探すより、ずっと楽であり、資本を集めやすい。 「100万円は出せないけど、10万なら出す、儲かったらそれに応じて分け前を要求するが、もし損害を出しても10万円までは負担するがそれ以上は責任を負わない。」というものである。
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