漁翁・漁夫の登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/23 17:17 UTC 版)
漁翁(シテ)と供の漁夫(ツレ)が、漁を終えて屋島の浦に帰ってくる。シテの面は朝倉尉(または笑尉)、釣竿を肩に掛けた漁師の姿である。 シテ「面白や月海上(かいしょう)に浮かんでは、波濤(はとう)夜火(やか)に似たりツレ「漁翁(ぎょおう)夜(よる)西岸(せいがん)に沿うて宿すシテ・ツレ「暁湘水を汲んで楚竹(そちく)を焼(た)くも、いまに知られて芦火の影、ほの見えそむるものすごさよ [漁翁]面白いことだ、月が海の上に浮かび、波がきらめいて夜火のようだ。[漁夫]「漁翁は夜に湘江の西の岩壁に舟を泊まらせ……[漁翁・漁夫]……夜明けに湘江の水を汲んで竹を焚いて湯を沸かす」という詩の情景がまさにこれかと思い起こされる。今、芦火の火影がほのかに見えてきた、もの寂しいことよ。
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