渡辺千恵子とは? わかりやすく解説

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渡辺千恵子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/25 06:19 UTC 版)

わたなべ ちえこ

渡辺 千恵子
第10回原水爆禁止世界大会(1964年8月)。
抱きかかえられて行進に参加する渡辺千恵子。
生誕 (1928-09-05) 1928年9月5日
日本 長崎県長崎市銅座町
死没 (1993-03-13) 1993年3月13日(64歳没)
国籍 日本
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渡辺 千恵子(わたなべ ちえこ、1928年9月5日 - 1993年3月13日)は、日本平和運動家[1]1945年8月9日の長崎原爆投下における、著名な被爆者の1人である[2]。長崎原爆乙女の会副会長。被爆し、下半身不随になりながらも、車椅子生活で核廃絶運動の先頭に立った[3]

人物

1928年に長崎県長崎市銅座町に生まれる。16歳の時、学徒動員[4]で働いていた三菱電機製作所 本工場(長崎市平戸小屋町、現:長崎市丸尾町[5])[6][注釈 1]で被爆し、崩れた建物の下敷きになって脊椎を骨折、下半身不随になった。1955年に「長崎原爆乙女の会」の結成に参加し[注釈 2]、それ以降、被爆者運動、原水爆禁止運動を行う[8]1956年8月9日、長崎市で開かれた「第2回原水爆禁止世界大会」において、被爆時の体験をスピーチした。その時の草稿は今も残されている[3]。このスピーチで注目を集めた彼女は、国内だけでなく米ニューヨークでなど海外でも活躍を見せた。1982(昭和57)年第2回国連軍縮特別総会では、「核兵器は人間そのものを否定する」と述べた。1993年3月13日に死去(享年64)[9]。なお、渡辺の半生を表現した合唱組曲として「平和の旅へ」がある。

著書

  • 「長崎に生きる (“原爆乙女” 渡辺千恵子の歩み)」(新日本新書)ISBN 9784406058858
  • 「長崎を忘れない」(草土文化)
  • 「長崎に燃えよ、オリンポスの火」(草土文化、共著)
  • 「長崎よ、誓いの火よ (車いすの平和の旅) 」(草の根出版会)

参考文献

  • 布袋 厚『復元! 被爆直前の長崎 原爆で消えた1945年8月8日の地図』長崎文献社、2020年8月8日。 ISBN 978-4-88851-348-7 

脚注

注釈

  1. ^ キーワード「三菱電機長崎製作所」で検索すると、65点の写真を閲覧できる。 長崎原爆資料館 (2015年). “長崎原爆資料館 収蔵品検索”. 長崎原爆資料館. 2025年1月25日閲覧。 
  2. ^ 1956年「長崎原爆乙女の会」と「長崎原爆青年の会」は合併し、「長崎青年乙女の会」に改称した[7]。現在、被爆証言活動や核兵器廃絶運動を継続している。

出典

  1. ^ 渡辺千恵子”. コトバンク (2020年5月15日). 2020年11月7日閲覧。
  2. ^ “希望歌い35年 故・渡辺千恵子さん描く合唱組曲”. 長崎新聞. (2020年4月13日). https://nordot.app/622312379004372065?c=174761113988793844 
  3. ^ a b “「犠牲者 私たちだけで」 被爆者の故渡辺千恵子さんスピーチ草稿 長崎総科大に保存”. 西日本新聞. (2019年8月29日). https://www.nishinippon.co.jp/item/n/538857/ 2020年11月7日閲覧。 
  4. ^ 鶴鳴高等女学校(かくめいこうとうじょがっこう)(現・長崎女子高等学校)の生徒だった。
  5. ^ Google Maps – 長崎市丸尾町 (Map). Cartography by Google, Inc. Google, Inc. 2025年1月25日閲覧
  6. ^ 布袋 厚 2020, pp. 106–107.
  7. ^ 記念碑前で初の集会 長崎原爆青年乙女の会 核廃絶への願い、後世に」『長崎新聞』長崎新聞社、長崎市、2022年5月5日。2025年1月25日閲覧。
  8. ^ プロフィール
  9. ^ 渡辺千恵子”. 新日本出版社. 2020年11月6日閲覧。

関連項目

外部リンク




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