浮かぶ瀬がない
別表記:浮かぶ瀬もない
「浮かぶ瀬がない」とは、「辛く苦しい状況であり、乗り越える糸口も見つからない」「いよいよ辛くてやりきれない」といった意味で用いられる慣用表現である。
「浮かぶ瀬がない」は助詞なとが少し置き換わって「浮かぶ瀬もない」あるいは「浮かぶ瀬もなし」などと言ったりもする。
「浮かぶ瀬もない」と「浮かぶ瀬もあれ」の違い
「浮かぶ瀬」は「苦境を脱する機会」を指す語と解釈される。
「浮かぶ瀬」は「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」という諺・慣用句(および、そのもじり)で用いられる表現としても知られる。
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」は、「捨て身の覚悟で挑めば苦境も打開し得る」「決死の覚悟で臨まなければ窮地を脱することも叶わない」という意味であり、ある種の教訓である。
「立つ瀬がない」と「浮かぶ瀬がない」の違い
「瀬」は、基本的には、川の浅瀬のようなところを指す語である。浅く、流れも弱く、立ったり歩いて渡ったりできるようなところである。
ただし「瀬」は「流れの弱いところ」だけでなく反対に「流れが急な箇所」を指すこともある。あるいは「流れ」そのものを指す使われ方もされる。
「立つ瀬がない」は、面目丸潰れになって身の置き所がない、恥ずかしくていたたまれない、という意味の慣用表現である。この「立つ瀬」は、「急流において立っていられるような手頃な浅瀬がない」的な比較的ストレートな比喩といえる。
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