沼田真とは? わかりやすく解説

沼田眞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/26 00:38 UTC 版)

沼田 眞(ぬまた まこと、沼田真[1]1917年11月27日[2] - 2001年12月30日[3])は、日本の生態学者[4]。弟に千葉県知事を務めた沼田武がいる[3]

人物

茨城県土浦市生まれ、千葉育ち[4]東京文理科大学生物学科卒業[4]理学博士京都大学)。

千葉大学文理学部助教授をへて、1962年理学部教授、定年後名誉教授、淑徳大学教授。千葉県立中央博物館初代館長[4]

植物生態学から、自然保護都市生態学の研究など広く活動、東ネパールへ調査団を率いて行った。

日本生態学会会長、日本植物学会会長、日本雑草学会会長、日本環境教育学会会長、日本自然保護協会会長[5]、東京湾学会会長[6]、千葉県生物学会会長などを歴任。紫綬褒章受章。1988年、勲二等瑞宝章受章[7]秩父宮記念学術賞日本学士院エジンバラ公賞、国連環境計画グローバル500賞などを受賞。

日本におけるアレロパシーの研究の先駆者としても知られ、1977年に発表した論文でアレロパシーを「他感作用(たかんさよう)」と紹介した[8][9]

著書

  • 『生物学論 現代生物学批判』白東書館、1948
  • 『生物学と自然弁証法 現代生物学批判』白東書館、1949
  • 『生態学方法論』古今書院 (形成選書)、1953
  • 『科学史』岩崎書店、1957 (中学生の理科全集)
  • 『生態学の立場』古今書院、1958
  • 『植物のふしぎ』実業之日本社 (理科のふしぎシリーズ)、1963
  • 『植物たちの生』岩波新書、1972
  • 『自然保護と生態学』共立出版 (環境科学叢書)、1973
  • 『環境教育論 人間と自然とのかかわり』東海大学出版会、1982.2
  • 『植物生態学論考』東海大学出版会、1987.3
  • 『都市の生態学』岩波新書、1987
  • 『植物のくらし人のくらし』海鳴社、1993.11
  • 『自然保護という思想』岩波新書、1994
  • 『環境問題の論点』信山社サイテック、2002.8

共編著

  • 『近代生物学史 発展の過程を中心に』(編)地人書館 (近代科学史シリーズ)、1960
  • 『植物・野外観察の方法』(編)築地書館、1962
  • 『日本原色雑草図鑑』 吉沢長人共編、全国農村教育協会、1968
  • 『植物生態学』(編)朝倉書店、1969
  • 『日本植物生態図鑑 第1-2』 浅野貞夫共著、築地書館、1969
  • 『生態学辞典』(編)築地書房、1974
  • 『帰化植物』(編)大日本図書 (環境科学ライブラリー)、1975
  • 『図説日本の植生』[岩瀬徹共著 朝倉書店(のち講談社学術文庫)、1975
  • 『生態の事典』(編)東京堂出版、1976
  • 『自然保護ハンドブック』(編)東京大学出版会、1976
  • 『植物生態の観察と研究』(編)東海大学出版会、1978.5
  • 『草地調査法ハンドブック』(編)東京大学出版会、1978.1
  • 『雑草の科学』(編)研成社 (のぎへんのほん)、1979
  • 『都市環境と人間』 斎藤平蔵共編、講談社、1981.2
  • 『種子の科学 生態学の立場から』(編)研成社 (のぎへんのほん)、1981
  • 『生態学読本』(編)東洋経済新報社、1982.2
  • 『東京の生物史』 小原秀雄共編 紀伊国屋書店、1982.2
  • 『生態学をめぐる28章』(編)共立出版、1983.6
  • 『生態調査のすすめ ヒマラヤの人々の生活と自然』(編)古今書院 1984
  • 『新しい生物学史 現代生物学の展開と背景』(編)地人書館、1973
  • 『生態の事典』(編)東京堂出版、1993.7
  • 『現代生態学とその周辺』(編)東海大学出版会、1995.12
  • 『景相生態学 ランドスケープ・エコロジー入門』(編)朝倉書店、1996.10
  • 『東京湾の生物誌』 風呂田利夫共編著 築地書館 (東京湾シリーズ)、1997

翻訳

  • 『実験生態学 高等植物の実験群落学 第1巻』 リューデイガー・クナップ、吉田治共訳、古今書院、1962
  • 『世界農業地理』 J.パパダキス、山本進共訳、古今書院 (形成選書)、1962
  • 『森林の生態』 E.G.ニール、河出書房新社 (新生物学シリーズ)、1973

論文

脚注

  1. ^ 沼田, 真, 1917-2001”. 2021年6月23日閲覧。
  2. ^ 『新現代日本執筆者大事典』1992年第三巻p.676
  3. ^ a b 沼田真氏死去/日本自然保護協会会長、千葉大名誉教授 四国新聞2001/12/31 21:27
  4. ^ a b c d “県立中央博物館の初代館長 沼田眞氏が死去”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 23. (2002年1月1日) 
  5. ^ “この人を訪ねて 一過性の環境保護ではダメ 日本自然保護協会会長 沼田眞さん”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 29. (1991年1月14日) 
  6. ^ “東京湾学会が機関誌創刊”. 千葉日報 (千葉日報社): p. 8. (1998年5月3日) 
  7. ^ 「秋の叙位叙勲4538人、晴れの受章 隠れた功労者、史上2位の1741人」『読売新聞』1988年11月3日朝刊
  8. ^ 作物の化学生態について”. 2021年6月23日閲覧。
  9. ^ 沼田真「植物群落と他感作用」『化学と生物』第15巻第7号、日本農芸化学会、1977年、412-418頁、doi:10.1271/kagakutoseibutsu1962.15.412ISSN 0453-073XNAID 1300036325502021年8月31日閲覧 




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