河北の一書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 16:56 UTC 版)
魚朝恩誅殺後、権勢並ぶ者なくなった元載のもとに宣州から知り合いの老人がやってきて、任官させてくれるように頼んだ。しかし元載の見るところ、官に就けられるほどの才能はなく、河北(現在の河北省周辺)への書状を渡して送り出した。老人は面白くなく幽州(現在の北京市周辺)に着くとこっそり書状を見た。すると白紙の書状にただ元載の署名があるだけだった。老人は激怒したが、やむを得ず試しに書状を官僚に渡した。節度判官は元載の署名を見て大いに驚き、すぐに節度使に報告し、軍の大官を派遣して元載の書状を受け取らすと、老人を上級の宿舎に泊まらせた。節度使は老人を数日間とどめて宴会を行い、去る時には絹千匹を贈った。元載の権勢はこのように盛んだった。
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