池中の物
別表記:池中のもの
「池中の物」とは、三国志(呉志)「周瑜伝」において、「やがて大成する人物が時機を得るまで潜んでいる狭い環境」の比喩として用いられた表現である。
「池中の物」は、周瑜伝の「恐蛟龍得雲雨終非池中物也」(おそらく、蛟龍、雲雨を得れば、ついに池中の物にあらず)というくだりの一部である。日本語では「蛟竜雲雨を得」という故事成語として扱われることが多い。
「蛟龍」または「蛟(みずち)」とは、水中に棲む龍のことである。雨や雲に乗じて天に駆け上る(昇竜となる)、とされる。
要するに、「蛟龍、雲雨を得れば、ついに池中の物にあらず」とは、「すぐれた能才を持つ者が好機を捕らえて存分に力を発揮し、一躍大成する」という意味である。
「ついに池中の物にあらず」とは、「もはや水中に潜んでいるだけの存在ではない」という言い方で、「大舞台で大活躍する」「天下に広く名を知らしめる」ことを表現しているわけである。
- 池中の物のページへのリンク