武蔵丘車両基地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/03 06:51 UTC 版)
| 武蔵丘車両基地 | |
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武蔵丘車両基地(2009年6月撮影)
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| 基本情報 | |
| 所在地 | 埼玉県飯能市大字飯能937 |
| 座標 | 座標: 北緯35度52分14.8秒 東経139度18分29.4秒 / 北緯35.870778度 東経139.308167度 |
| 鉄道事業者 | 西武鉄道 |
| 帰属組織 | 車両所 池袋線車両所[1] |
| 併設区所 | 武蔵丘車両検修場 |
| 最寄駅 | 高麗駅 |
| 管轄路線 | 池袋線、西武有楽町線、豊島線、狭山線、西武秩父線 |
| 管轄車両 | 新2000系、4000系、6000系、20000系、30000系、40000系(2025年4月1日現在[3]) |
| 旧称 | (武蔵丘電留線)→武蔵丘車両管理所 |
| 開設 | 1988年(昭和63年)11月(武蔵丘電留線) 2000年(平成12年)3月16日(武蔵丘車両管理所として独立[2]) |
| 車両基地概要 | |
| 敷地面積 | 41,000 m2[1] |
| 構内線路延長 | 3,949 m[1] |
| 留置線本数 | 15本[1] |
| 検査線本数 | 月検査線 1本 列車検査線 1本[1] |
| 洗浄線本数 | 1本 車両洗浄装置 1基[1] |
| その他設備 | 保線機械基地 |
| 最大収容両数 | 164両 (10両×15本・14両長×1本) |
| 配置両数 | 282両(2025年4月1日現在[3]) |
武蔵丘車両基地(むさしがおかしゃりょうきち)は、埼玉県飯能市にある西武鉄道の車両基地。
概要
池袋線東飯能 - 高麗間に位置する武蔵丘信号場に隣接し、また武蔵丘車両検修場が隣接する[2]。車両が武蔵丘車両検修場に入場・出場する際は、当車両基地の構内を通る。構内は10両編成に対応しており、当車両基地では列車検査・月検査と車両清掃等を行っている[2]。ただし、当車両基地には車両故障等に対応した修繕線がないため、このような場合には車両を小手指車両基地に回送して対応する[2]。
横瀬車両基地を統括しており、電気機関車E31形の月検査(一部列車検査)も行っていた。甲種輸送の回送検査は当車両基地しか行っていない。
池袋線の本線を挟んで2つのエリアに分かれており、当初よりある南東側がA地区、後に増設された北西側がB地区となっている[4][2]。A地区には60両が収容可能な電車留置線6本と引上線1本、保線機械線が6本ある[2]。B地区には74両が収容可能な電車留置線7本と検査線 2本(検修庫)と洗浄作業線1本、引上線1本がある。このほか、武蔵丘車両検修場への入出場線がある[2]。
また東飯能駅付近の複線化と、西武グループにより1984年1月27日に飯能市議会全員協議会の場で公開された「武蔵丘分譲地」[注 1]造成計画に合わせて、現在の武蔵丘信号場の位置への新駅設置構想も公表され、『文化新聞』の1984年3月1日号にその概要が掲載されていた[7]。新駅と駅前広場は分譲地の「中央地区」(面積5.7ヘクタール)に建設され、団地に入居する住民の通勤・通学需要に対応する計画であり[8]、1990年(平成2年)時点では、西武は新駅(仮称:武蔵丘駅)を1994年(平成6年)3月ごろまでには開設して供用開始したい意向であると報じられていたが[9]、この分譲地開発計画に関しては1995年(平成7年)1月に西武鉄道が飯能市に事業計画書を提出したものの[6]、市民グループ「天覧山・多峯主山の自然を守る会」による反対運動が起き[10]、同年には「緑と清流の保全条例」制定の直接請求が行われた[6]。この条例案自体は市議会で日本共産党の議員4人が賛成したのみで否決されたが[11]、西武鉄道は2005年(平成17年)1月に社会状況の変化を受け、開発計画の断念を市に申し入れており[12][13]ことなどから、車両基地と検修場の開設以外は実現には至っていない(未成駅)。池袋線所属の車両の行先表示器には新駅設置構想の名残で「武蔵丘」のコマが用意されている。
配線図
| ← 飯能 方面 |
→ 吾野 方面 |
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| 凡例 出典:[14][15] |
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所属車両
2025年4月1日現在[3]
- 新2000系 - 8両編成2本
- 4000系 - 4両編成10本(52席の至福を含む)
- 6000系 - 10両編成3本(50番台)
- 20000系 - 10両編成3本
- 30000系 - 8両編成10本・2両編成6本
- 40000系 - 10両編成5本・8両編成3本(すべて50番台)
このほか、池袋線系統で運用される当基地所属以外の車両も留置されることがある。小手指車両基地所属の自社車両のほか、2024年3月改正ダイヤでは東京メトロ・東急東横線の車両がそれぞれ10両編成1本ずつ夜間滞泊する運用が組まれている。
沿革
- 1988年(昭和63年)11月 - 輸送力増強のため、60両が収容可能な電留線として開設(現在のA地区)[5][2]。
- 1998年(平成10年)3月 - 地下鉄有楽町線への乗り入れ開始拡大に伴い拡張。50両が収容可能な電留線を増設(現在のB地区)[2]。
- 2000年(平成12年)
- 2001年(平成13年)7月9日 - 組織改正により池袋線車両所武蔵丘車両基地となる[2]。
- 2003年(平成15年)1月 - 横瀬車両基地と山口車両基地を管轄する[2]。
- 2004年(平成16年)3月 - 山口車両基地の管轄を小手指車両基地に移管[2]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2013年12月臨時増刊号特集『西武鉄道』pp.69 - 75。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 交通新聞社『鉄道ダイヤ情報』2019年6月号シリーズ車両基地 Vol.62「西武鉄道 池袋線車両所武蔵丘車両基地」pp.64 - 69。
- ^ a b c 交友社『鉄道ファン』2025年8月号付録「大手私鉄車両ファイル 車両配置表」。
- ^ a b c 「鉄道ピクトリアル」2002年4月臨時増刊号(通巻716号) 車両所の概要 pp.53 - 57。
- ^ a b c d e 「鉄道ピクトリアル」2013年12月臨時増刊号(通巻884号) 車両所の概要 pp.69 - 75
- ^ a b c 『文化新聞』2005年1月22日付(第16460号)1頁「武蔵丘団地計画取り止め 西武、市に申し出る 飯能 都市計画の見直し作業へ」(文化新聞社 小島満也)
- ^ 『文化新聞』1984年3月1日付(第10648号)1頁「西武 開発計画を市議会に説明 武蔵丘(大久田)に2千人の街」(文化新聞社)
- ^ 『文化新聞』1995年11月29日付(第14061号)1頁「特別委 目と足で確かめる 天覧山 多峯主山 周辺を現地視察 きょう 市議会本会議で決着」(文化新聞社)
- ^ 『文化新聞』1990年4月5日付(第12448号)1頁「電車検修基地へ 架設橋建設 西武で輸送力増量作戦 武蔵丘新駅は六年オープン」(文化新聞社)
- ^ 『文化新聞』1995年10月12日付(第14025号)1頁「市民グループVS飯能市・西武鉄道 争点の武蔵丘分譲地計画」(文化新聞社)
- ^ 『文化新聞』1995年11月30日付(第14062号)1頁「緑と清流の保全条直接請求否決 怒号 罵声 議場周辺は一時騒然 市は今年度中に環境条例制定へ」(文化新聞社)
- ^ 『文化新聞』2005年1月26日付(第16462号)1頁「75haの武蔵丘分譲地 国道沿いに店舗開設へ 団地開発から撤退の西武」(文化新聞社 小島満也)
- ^ やませみ42号 - NPO法人 天覧山・多峯主山の自然を守る会、2005年4月1日発行。
- ^ 電気車研究会、『鉄道ピクトリアル』通巻第884号 2013年12月 臨時増刊号 「特集 - 西武鉄道」、巻末折込「西武鉄道線路略図」
- ^ 川島令三『中部ライン 全線・全駅・全配線 第11巻 埼玉南部・東京多摩北部』講談社、2011年2月、18-19頁頁。ISBN 978-4062700719。
- ^ 2019会社要覧(全ページ一括)(PDF) 年譜 p.75 - p.81
参考文献
- 『鉄道ピクトリアル』 鉄道図書刊行会
- 大久保洋一 「車両管理所の概要」1992年5月臨時増刊号(通巻560号) pp.51 - 55
- 鳥居武徳 「車両所の概要」 2002年4月臨時増刊号(通巻716号) pp.53 - 57
- 渡辺晃一「車両所の概要」2013年12月臨時増刊号(通巻884号) pp.69 - 75
関連項目
- 武蔵丘車両基地のページへのリンク