根部病害の抑止効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 06:17 UTC 版)
有機養液栽培では根に明瞭な特徴が現れ、根部病害抑止効果が見られる。有機養液栽培で育てると、根を微生物が覆い、バイオフィルムを形成する。また、湛液式の水耕では根に根毛がないのが通常であるが、有機養液栽培では根毛がよく発達する。化学肥料の養液栽培では見られないこれらの特徴が、根部病害の抑制効果に関係しているものと考えられる。化学肥料による養液栽培では雑菌の侵入により容易に根部病害が発生するが、有機養液栽培の栽培区にその病根を投入しても全く発病しない。また、養液内に青枯病菌を接種しても青枯病は発生せず、青枯病菌も検出されなくなるなど、興味深い現象が観察される。化学肥料による養液栽培では養液に雑菌が侵入しないよう清潔さを保つことが必要だが、有機養液栽培では養液内に微生物生態系が構築されているため、清潔さにそれほど気を配らなくても問題が生じない。
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