最小位相速度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 20:22 UTC 版)
これら2つの極限の間には重力による分散が表面張力による分散を相殺する点がある。その特定の波長では群速度が位相速度と等しくなり、分散は生じない。それと正確に同じ波長において表面張力重力波の位相速度は最小値を取る。この臨界波長 λ m {\displaystyle \lambda _{m}} よりはるかに短い波長の波では表面張力が、はるかに長い波長の波では重力が支配的となる。 λ m {\displaystyle \lambda _{m}} とそこから導かれる最小位相速度 c m {\displaystyle c_{m}} は以下で与えられる。 λ m = 2 π σ ( ρ − ρ ′ ) g c m = 2 ( ρ − ρ ′ ) g σ ρ + ρ ′ {\displaystyle {\begin{aligned}\lambda _{m}&=2\pi {\sqrt {\frac {\sigma }{(\rho -\rho ')g}}}\\c_{m}&={\sqrt {\frac {2{\sqrt {(\rho -\rho ')g\sigma }}}{\rho +\rho '}}}\end{aligned}}} 空気と水の界面では λ m = 1.7 {\displaystyle \lambda _{m}=1.7} cm、 c m = 0.23 {\displaystyle c_{m}=0.23} m/sとなる。 液体に小石か滴を落とすと様々な波長の波が同心円状に広がっていくが、それらが伝播するのはゆっくり広がる円の外側のみで、円の内側では流体は静止する。この円は最小群速度に対応する焦線である。
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