日本残酷物語とは? わかりやすく解説

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日本残酷物語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/12 14:52 UTC 版)

日本残酷物語』(にほんざんこくものがたり)は、日本近世から現代までの民衆の生活を描いた記録集。昭和30年代半ば、1959年 - 1960年に第1部から第5部、1960年 - 1961年に現代篇第1・第2の7冊が平凡社から刊行された。

概要

『風土記日本』(1957-1958年、7冊)に続いて企画されたシリーズである。「残酷物語」というタイトルはヴィリエ・ド・リラダンの小説に由来する[1]

監修は宮本常一山本周五郎楫西光速山代巴とあるが、実際には民俗学者の宮本常一、平凡社の谷川健一を中心に企画、編集され、他の監修3名は名前を借りただけだという[2]。シリーズ冒頭の「刊行のことば」に「これは流砂のごとく日本の最底辺にうずもれた人々の物語である」[3]と書かれているように、歴史に名を残さない民衆の生活の暗部を多く取り上げている。

100名を超える執筆者の名が記されているが、基本的に誰がどの項目を執筆したかは明示されていない。また、執筆原稿には谷川ら編集者が大幅に手を加えている(時折、「磯村(筆者)は(略)つぎのように記録している[4]」等と筆者が明かされる箇所がある)

第1部は半年で20刷を超える売れ行きで、読者からの反響が最も大きかったのは「土佐檮原の乞食」だったという[5]

内容

  • 第1部「貧しき人々のむれ」
  • 第2部「忘れられた土地」
  • 第3部「鎖国の悲劇」
  • 第4部「保障なき社会」
  • 第5部「近代の暗黒」
  • 現代篇1「引き裂かれた時代」
  • 現代篇2「不幸な若者たち」

※平凡社ライブラリー版(1995年)は現代篇を省略した5冊本。

参考文献

脚注

  1. ^ 畑中2015,p54。なお、柴田錬三郎、南条範夫の短編集(1957年、1959)のタイトルにも使われている(同、p62)。
  2. ^ 畑中2015,p32。
  3. ^ 平凡社ライブラリー版1、p.5。『谷川健一コレクション1』(2019年、冨山房インターナショナル)所収。
  4. ^ 平凡社ライブラリー版5、p.92。
  5. ^ 畑中2015,p28、p61。「土佐檮原の乞食」は宮本常一の執筆で、後に「土佐源氏」と改題、『忘れられた日本人』に収録。




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