数式モデルからの分析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/15 07:04 UTC 版)
「ビルト・イン・スタビライザー」の記事における「数式モデルからの分析」の解説
民間投資が15の場合は、国民所得に応じた税制の国も国民所得と無関係な税制である国も違いはないが、民間投資が5の場合は同額の総投資減少に対して、国民所得に比例した税制を持つ国のほうが景気の落ち込み方は緩やかになる。これは、歳出を固定しているだけでも、税収減により財政赤字になり、財政政策を自動的に発動していることになるためである。バブル崩壊後の日本においても、急速な税収減少が景気の落ち込みを限定的なものにした。一方、財政均衡を守ろうとするとスタビライザー効果は失われ景気の落ち込みは激しくなる。 税制モデル民間投資が15の場合の解民間投資が5の場合の解国民所得に応じた税制 国民所得: Y = C + I + G {\displaystyle Y=C+I+G} 総消費: C = c ( Y − T ) {\displaystyle C=c(Y-T)} 総投資: I = 15 {\displaystyle I=15} 財政投資: G = 25 {\displaystyle G=25} 税収: T = t Y {\displaystyle T=tY} 消費性向: c = 0.8 {\displaystyle c=0.8} 税率: t = 0.25 {\displaystyle t=0.25} Y = 2.5 ( 15 + 25 ) = 100 {\displaystyle Y=2.5(15+25)=100} C = 60 {\displaystyle C=60} T − G = 0 {\displaystyle T-G=0} ※財政収支 Y = 2.5 ( 5 + 25 ) = 75 {\displaystyle Y=2.5(5+25)=75} C = 45 {\displaystyle C=45} T − G = − 6.75 {\displaystyle T-G=-6.75} ※財政収支 国民所得と無関係な税制 国民所得: Y = C + I + G {\displaystyle Y=C+I+G} 総消費: C = c ( Y − T ) {\displaystyle C=c(Y-T)} 総投資: I = 15 {\displaystyle I=15} 財政投資: G = 25 {\displaystyle G=25} 税収: T = 25 {\displaystyle T=25} 消費性向: c = 0.8 {\displaystyle c=0.8} Y = 5 ( 15 + 25 − 20 ) = 100 {\displaystyle Y=5(15+25-20)=100} C = 60 {\displaystyle C=60} T − G = 0 {\displaystyle T-G=0} ※財政収支 Y = 5 ( 5 + 25 − 20 ) = 50 {\displaystyle Y=5(5+25-20)=50} C = 30 {\displaystyle C=30} T − G = 0 {\displaystyle T-G=0} ※財政収支
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