庵寺つぶし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/19 17:21 UTC 版)
二人がぶるぶる震えていると、棺おけを担いだ集団がなだれ込んできた。 何でも、例の『金貸しの婆さん』があまりにも恐ろしいので、早く成仏させてもらおうとお寺に運んできたのだという。 遠回りをしてきたので、尼さんとすれ違いになってしまったのだ。 「尼はんじきにこっち戻ってもらいまっさかい、これ預かっといて」 集団は、棺おけを下ろすとさっさと帰ってしまった。それからしばらく経って…。 「金返せぇ~」 棺おけのふたがポ~ンと飛ぶと、中から老いさらばえた老婆が白髪振り乱して、それへズ~ッ! 「出た、出た出た…、わたしらあんにお金お借りしたもんと違います。伊勢参りの旅のもん、旅のもん!」「旅のもん?伊勢参りか、だったら伊勢音頭を唄え」 とんでもない事になったが、もはや歌わないわけにはいかないだろう。 「伊勢わぁ~津でもぉ~つ 津わぁ~伊勢でぇもぉつぅ~♪」「よ~い、よ~い!」「あんたは黙ってなはれ」
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