山の風景 (デ・モンペル、ウィーン)とは? わかりやすく解説

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山の風景 (デ・モンペル、ウィーン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/14 00:31 UTC 版)

 

『山の風景』
ドイツ語: Große Gebirgslandschaft 
英語: Mountain Landsacpe
作者 ヨース・デ・モンペル
製作年 1620-1630年
種類 キャンバス上に油彩
寸法 209 cm × 286 cm (82 in × 113 in)
所蔵 美術史美術館ウィーン

山の風景』(やまのふうけい、: Große Gebirgslandschaft: Mountain Landscape)は、17世紀フランドルバロック期の画家ヨース・デ・モンペルキャンバス上に油彩で制作した風景画である。おそらく1620年代に描かれた[1][2]。作品は現在、ウィーン美術史美術館に所蔵されている[1][2]

作品

遠景の谷間と山々

本作は、デ・モンペルが描いた典型的な空想上の風景を表している。彼はフランドルの画家たちの空想的様式に則り、想像によって異国情緒のある山の景観を伝統にしたがって描いた。その様式は、ほかの多くの17世紀の画家たちのように自然主義的なものではない[3]

この種の絵画は、技術、統一された空間、光の効果、低く取られた地平線に関する知識が欠如していたためにこの様式で描かれたのではない。むしろ、「空想上の風景画の創造性や洗練性を尊んだ」玄人の収集家の趣味に合致すべく制作されたのである[3]。この種の絵画は、一般に制作費がはるかにかかった[3]。本作は左側の木の茂った断崖によって枠どられ、鑑賞者はその近くから遠くの山塊に続く谷間を垣間見ることができる。細道が前景から谷の方に曲がりながら下降しており、何人かの旅人がその道を歩いている。前景では、馬上に乗っている人や犬を含む旅行者の一団が道を通っている。それらの人物像はハンス・ヨルダーンス3世に帰属されており、彼は本作の人物配置に関わったとされている[1][2]

来歴

この絵画は、オーストリア大公レオポルト・ヴィルヘルム・フォン・エスターライヒのコレクションに含まれていた。彼は1647-1656年までネーデルラント総督であった。イングランド内戦中の第二次内戦英語版により、レオポルト大公は市場に出回ったいくつかの絵画コレクションから多数の貴重な絵画を入手することができた。初期フランドル派絵画や当時の17世紀フランドル絵画、そしてバッキンガム宮殿ハミルトン公爵のコレクションにあったイタリア絵画を購入したのである。大公は本作を含む1400点ほどの絵画を収集した[2]が、それらは神聖ローマ皇帝レオポルト1世に遺贈された。本作や大公のコレクションに由来する作品は現在、ウィーンの美術史美術館に所蔵されている[4]

脚注

  1. ^ a b c Mountain Landscape”. Web Gallery of Art. 2020年9月25日閲覧。
  2. ^ a b c d Große Gebirgslandschaft”. Kunsthistorisches Museum. 2020年9月26日閲覧。
  3. ^ a b c Landscape Painting in the Netherlands”. Metropolitan Museum of Art (2014年12月). 2020年9月22日閲覧。
  4. ^ History of the Collection”. Liechtenstein Museum. 2020年9月25日閲覧。

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