寝ながら学べる構造主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/02/20 13:23 UTC 版)
『寝ながら学べる構造主義』(ねながらまなべるこうぞうしゅぎ)は、内田樹が著した構造主義の解説書。
注釈
- ^ 第1章で内田はこう述べる。「私たちは自分が『ほんとうのところ、何ものであるのか』を、自分が作り出したものを見て事後的に教えられます。(中略) 自己同一性を確定した主体がまずあって、それが次々と他の人々と関係しつつ『自己実現する』のではありません。ネットワークの中に投げ込まれたものが、そこで『作り出した』意味や価値によって、おのれが誰であるかを回顧的に知る。主体の起源は、主体の『存在』にではなく、主体の『行動』のうちにある。これが構造主義のいちばん根本にあり、すべての構造主義者に共有されている考え方です」[7]
- ^ 集団的に選択され、実践される「好み」である「エクリチュール」(écriture)がどういうものかを、内田は次のようなたとえで説明する。「中学生の男の子が、ある日思い立って、一人称を『ぼく』から『おれ』に変更したとします。この語り口の変更は彼が自主的に行ったものです。しかし選ばれた『語り口』そのものは、少年の発明ではなく、ある社会集団がすでに集合的に採用しているのです。それを少年はまるごと借り受けることになります。(中略) 『熊ちゃんのパジャマ』のようなものを着て寝るわけにはゆかなくなるのです」[8]
- ^ a b リドリー・スコット監督の『エイリアン』とジャック・ラカンの「『盗まれた手紙』についてのセミネール」は、『映画の構造分析』(晶文社)でも詳細に論じられている。
- ^ 『カッコーの巣の上で』はジャック・ニコルソン主演の映画版が一般的に知られているが、難波江が取り上げているのはケン・キージーの原作(1962年)である。
出典
- ^ 『寝ながら学べる構造主義』内田 樹 | 電子書籍 - 文藝春秋BOOKS
- ^ くらくら (内田樹の研究室 2009年7月11日)
- ^ 明日は明日の風と共に去りぬ - 2002年9月内田樹の研究室
- ^ 明日は明日の風と共に去りぬ - 2002年2月内田樹の研究室
- ^ 2010年の重大ニュース (内田樹の研究室 2010年12月31日)
- ^ June Blind (内田樹の研究室 2004年6月10日)
- ^ 本書、31-32頁。
- ^ 本書、121頁。
- ^ 難波江和英・内田樹 『現代思想のパフォーマンス』光文社新書、2004年11月、422頁。
- 1 寝ながら学べる構造主義とは
- 2 寝ながら学べる構造主義の概要
- 3 関連項目
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