実験的考察および限界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/14 02:28 UTC 版)
「コーリー・バクシ・柴田還元」の記事における「実験的考察および限界」の解説
本反応系における水の存在は、エナンチオマー過剰率に著しい影響を与えることから、CBS還元は無水条件で行なわなければならない。温度もまた立体選択性において非常に重要である。一般的に、低い温度でエナンチオマー過剰率 (ee) は得られる。しかしながら、昇温していくとエナンチオマー過剰率はある温度で最大値に逹する。これは使用する触媒構造とボラン還元試薬に依存する。ボラン試薬のカテコールボランの使用は、低温で低下するエナンチオマー過剰率を改善する有力な解決策である。カテコールボランを使用することで、−126 °Cまで下げた温度でCBS還元を行い優れたエナンチオ選択性が得られることが明らかにされている。 CBS還元における還元試薬にBH3を使用することと関連したエナンチオ選択性の問題について報告されている。Nettlesらは、市販のBH3•THFを評価し、ごく微量のボロヒドリド種(非選択的還元を起こしエナンチオ選択性を低下させる)が含まれていることを明らかにした。ボロヒドリド種が触媒する還元経路はCBS触媒による還元よりもかなり遅いが、この副反応はまだ立体選択性を最適化できる余地があることを示している。
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