大唐創業起居注とは? わかりやすく解説

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大唐創業起居注

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 06:10 UTC 版)

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大唐創業起居注』(だいとう そうぎょう ききょちゅう)は、中国唐代編年体歴史書である。唐の温大雅撰、全3卷。618年頃の成立。また、単に『創業起居注』ともいう。

概要

本書は、唐の高祖李淵父子の、太原での挙兵から建国に至るまでを、日々の動きを追って記述している。すなわち、大業13年(617年)から唐建国の武徳元年(618年)に及ぶ、357日間の史実を記す、という体裁をとっている。当初の書名が『創業起居注』である。これが、標題通りに当時の「起居注」であったとすれば、現存最古の起居注という事になる。また、唐の建国直後に、その当事者であった文官によって取りまとめられた記録ともなり、根本的な一次史料という事にもなる。

また、高祖朝に関してまとめられた『高祖実録』以降の史料は、太宗朝の影響下に成立しているため、一般に唐建国の功績を李世民の活躍に帰せしめる傾向が見られる。対して、本書は、高祖李淵、太子の李建成、次子の李世民の活躍を同列に扱っており、それが実際の起義の状況を記録しているものと考えられている。

その部分的な記述は、時に『旧唐書』・『新唐書』・『資治通鑑』と異同があり、相互に参照する必要がある。また、李淵の即位に対しては、慧化尼と衛元嵩による予言詩が予め流布しており、その後押しをしたとする記述が、下巻の最後に見られる。

撰者・温大雅

作者の温大雅(? - 628年頃)は、字は彦弘、并州祁県の出身。隋代は東宮学士、長安県尉であった。李淵の大将軍府記室参軍となり、専ら文辞を掌っていた。唐朝の成立後は、黄門侍郎・工部侍郎・礼部尚書となった。その記述内容は、全て自身が見聞したものとされており、故に本書の史料価値を非常に高くしている。

各巻の内容

上巻

起義から出発まで、48日間。

中巻

太原起義から長安入城まで、126日間。

下卷

摂政から即位まで、183日間。

諸版本

  • 各種叢書所収本 - 『秘冊彙函』・『津逮秘書』・『学津討原』・『藕香零拾』・『叢書集成初編』
  • 現代の通行版本 - 李季平、李錫厚点校本、1983年、上海古籍出版社

参考文献

  • 羅香林「大唐創業起居注考証」(『唐代文化史研究』、1946年)
  • 福井重雅「大唐創業起居注考」(『史観』63・64、1962年)
  • 氣賀澤保規「『大唐創業起居注』の性格について」(『鷹陵史学』8、1982年)
  • 『中国歴史大辞典』隋唐五代史巻、1995年、上海辞書出版社

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