変数の収束に伴う関数の挙動とは? わかりやすく解説

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変数の収束に伴う関数の挙動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 09:32 UTC 版)

極限」の記事における「変数の収束に伴う関数の挙動」の解説

f(x)実関数とし、c を実数とする。式 lim x → c f ( x ) = L {\displaystyle \lim _{x\to c}f(x)=L} または f ( x ) → L ( x → c ) {\displaystyle f(x)\rightarrow L\quad (x\rightarrow c)} とは、x の値を c に“十分に近づければ”f(x) の値を L に望む限りいくらでも近づけることができること意味する。このとき「x を c に近づけたとき f(x)極限は L である」という。これはイプシロン-デルタ論法により ∀ ε > 0 , ∃ δ > 0 ; ∀ x [ 0 < | x − c | < δ ⟹ | f ( x ) − L | < ε ] {\displaystyle \forall \varepsilon >0,\;\exists \delta >0;\;\forall x\;{\bigg [}0<|x-c|<\delta \Longrightarrow |f(x)-L|<\varepsilon {\bigg ]}} という形で厳密に定義される。このとき、この極限と関数 f(x) の x = c における値は無関係であり、f(c) ≠ L であることもあれば、f が c において定義されている必要もないのである。 このことを理解するために次の例を挙げる。 x が 2 に近づくときの f(x) = x/(x2 + 1) の値を考える。この場合、f(x) は x が 2 のときに定義されており、値は 0.4 である。 f ( 1.9 ) = 0.4121 {\displaystyle f(1.9)=0.4121} f ( 1.99 ) = 0.4012 {\displaystyle f(1.99)=0.4012} f ( 1.999 ) = 0.4001 {\displaystyle f(1.999)=0.4001} x が 2 に近づくにつれて f(x) が 0.4 に近づいていく。したがって、 lim x → 2 f ( x ) = 0.4 {\displaystyle \lim _{x\to 2}f(x)=0.4} である。このように f ( c ) = lim x → c f ( x ) {\displaystyle f(c)=\lim _{x\to c}f(x)} であるとき、f(x) は x = c で連続であるという。しかし、このようなことが常に成り立つとは限らない。 例として、 g ( x ) = { x x 2 + 1 , if  x ≠ 2 0 , if  x = 2 {\displaystyle g(x)={\begin{cases}{\dfrac {x}{x^{2}+1}},&{\mbox{if }}x\neq 2\\0,&{\mbox{if }}x=2\end{cases}}} を考える。x が 2 に近づくときの g(x) の極限は 0.4 であるが、 lim x → 2 g ( x ) ≠ g ( 2 ) {\displaystyle \lim _{x\to 2}g(x)\neq g(2)} である。このとき g(x) は x = 2 で連続でないという。 また、x → c のとき、f(x) の値が限りなく大きくなることを、「x が c に限りなく近づくとき関数 f(x) は正の無限大に発散する」といい、 lim x → c f ( x ) = ∞ {\displaystyle \lim _{x\to c}f(x)=\infty } または、 f ( x ) → ∞ ( x → c ) {\displaystyle f(x)\to \infty \quad (x\to c)} と表す。このことは次のように厳密に定義される。 ∀ K > 0 , ∃ δ > 0 ; ∀ x [ 0 < | x − c | < δ ⟹ f ( x ) > K ] {\displaystyle \forall K>0,\exists \delta >0;\;\forall x\;{\bigg [}0<|x-c|<\delta \Longrightarrow f(x)>K{\bigg ]}} 逆に、x → c のとき、f(x) の値が限りなく小さくなることを、「x が c に限りなく近づくとき関数 f(x)負の無限大発散する」といい、 lim x → c f ( x ) = − ∞ {\displaystyle \lim _{x\to c}f(x)=-\infty } または、 f ( x ) → − ∞ ( x → c ) {\displaystyle f(x)\to -\infty \quad (x\to c)} と表す。これは次のように厳密に定義される。 ∀ K < 0 , ∃ δ > 0 ; ∀ x [ 0 < | x − c | < δ ⟹ f ( x ) < K ] {\displaystyle \forall K<0,\exists \delta >0;\;\forall x\;{\bigg [}0<|x-c|<\delta \Longrightarrow f(x)<K{\bigg ]}} 連続実関数 f(x) が x → c とする極限において発散するならば、f(x)x = c において定義できない。なぜなら、定義されていたとするx = c不連続点となるからである。

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変数の収束に伴う関数の挙動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 05:51 UTC 版)

関数の極限」の記事における「変数の収束に伴う関数の挙動」の解説

f(x)実関数とし、c を実数とする。式 lim x → c f ( x ) = L {\displaystyle \lim _{x\to c}f(x)=L} または f ( x ) → L ( x → c ) {\displaystyle f(x)\rightarrow L\quad (x\rightarrow c)} は x の値を c に“十分に近づければ”f(x) の値を L に望む限りいくらでも近づけることができること意味する。このとき「x を c に近づけたときの f(x)極限は L である」という。これはイプシロン-デルタ論法により ∀ ε > 0 , ∃ δ > 0 ; ∀ x [ 0 < | x − c | < δ ⟹ | f ( x ) − L | < ε ] {\displaystyle {}^{\forall }\varepsilon >0,\;{}^{\exists }\delta >0\;;\;{}^{\forall }x\;{\bigg [}0<|x-c|<\delta \Longrightarrow |f(x)-L|<\varepsilon {\bigg ]}} という形で厳密に定義される。このとき極限 L は存在するならば、その値は関数 f(x) と点 c から一意に定まる。一方この極限と関数 f(x) の x = c における値は無関係であり、f(c) ≠ L であることもある(右図)。 このことを理解するために次の例を挙げる。 x が 2 に近づくときの f ( x ) = x x 2 + 1 {\displaystyle f(x)={\frac {x}{x^{2}+1}}} の値を考える。この場合、f(x) は x が 2 のときに定義されており、値は 0.4 である。 f ( 1.9 ) = 0.4121 {\displaystyle f(1.9)=0.4121} f ( 1.99 ) = 0.4012 {\displaystyle f(1.99)=0.4012} f ( 1.999 ) = 0.4001 {\displaystyle f(1.999)=0.4001} x が 2 に近づくにつれて f(x) が 0.4 に近づいていく。したがって、 lim x → 2 f ( x ) = 0.4 {\displaystyle \lim _{x\to 2}f(x)=0.4} である。このように f ( c ) = lim x → c f ( x ) {\displaystyle f(c)=\lim _{x\to c}f(x)} であるとき、f(x) は x = c で連続であるという。しかし、このようなことが常に成り立つとは限らない。 例として、 g ( x ) = { x x 2 + 1 , if  x ≠ 2 0 , if  x = 2 {\displaystyle g(x)={\begin{cases}{\frac {x}{x^{2}+1}},&{\mbox{if }}x\neq 2\\0,&{\mbox{if }}x=2\end{cases}}} を考える。x が 2 に近づくときの g(x) の極限は 0.4 であるが、 lim x → 2 g ( x ) ≠ g ( 2 ) {\displaystyle \lim _{x\to 2}g(x)\neq g(2)} である。故に g(x) は x = 2 で連続でない。 また、x→ c のとき、f(x) の値が限りなく大きくなることを、「x が c に限りなく近づくとき関数 f(x) は正の無限大に発散する」といい、 lim x → c f ( x ) = ∞ {\displaystyle \lim _{x\to c}f(x)=\infty } または f ( x ) → ∞ ( x → c ) {\displaystyle f(x)\to \infty \quad (x\to c)} と表す。このことは次のように厳密に定義される。 ∀ K > 0 , ∃ δ > 0 ; ∀ x [ 0 < | x − c | < δ ⟹ f ( x ) > K ] {\displaystyle {}^{\forall }K>0,\;{}^{\exists }\delta >0\;;\;{}^{\forall }x\;{\bigg [}0<|x-c|<\delta \Longrightarrow f(x)>K{\bigg ]}} 逆に、x→ c のとき、f(x) の値が限りなく小さくなることを、「x が c に限りなく近づくとき関数 f(x)負の無限大発散する」といい、 lim x → c f ( x ) = − ∞ {\displaystyle \lim _{x\to c}f(x)=-\infty } または f ( x ) → − ∞ ( x → c ) {\displaystyle f(x)\to -\infty \quad (x\to c)} と表す。これは次のように厳密に定義される。 ∀ K < 0 , ∃ δ > 0 ; ∀ x [ 0 < | x − c | < δ ⟹ f ( x ) < K ] {\displaystyle {}^{\forall }K<0,\;{}^{\exists }\delta >0\;;\;{}^{\forall }x\;{\bigg [}0<|x-c|<\delta \Longrightarrow f(x)<K{\bigg ]}} 連続実関数 f(x) が x → c とする極限において発散するならば、f(x)x = c において定義できない。なぜなら、定義されていたとするx = c不連続点となるからである。

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