土用坊主
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/03/10 03:53 UTC 版)
土用坊主(どようぼうず)は、神奈川県津久井郡青根村(現:相模原市緑区青根)に伝わる民間神。
概要
土用(四季の終わりの18日間)になると邸地内に現れると言われている。この期間に土をいじることは土用坊主の頭を引っかくことになるため、土いじりも草むしりも行なってはならないとされる[1]。陰陽道における土公神も同様に、所在時に土を動かすと祟りがあるといわれることから[2]、土用坊主とはこの土公神を指すものと見られている[3]。
また、土地にはそれぞれ土地神がおり、断りなしに土を動かすと災いが起きるといわれていることから、土用坊主もそうした土地神の類とする説や、江戸時代の『和漢三才図会』では、土用に土地を犯すと方位神である金神が災いを下すとあることから、土用坊主と金神との関連性を指摘する説もある[4]。
脚注
- ^ 民俗学研究所編著 『綜合日本民俗語彙』第3巻、柳田國男監修、1955年、1066頁。
- ^ 飯島吉晴他 『民間信仰辞典』 桜井徳太郎編、東京堂出版、1980年、206頁。ISBN 978-4-490-10137-9。
- ^ 村上健司他 「民間信仰の神々とは」『DISCOVER 妖怪 日本妖怪大百科』VOL.04、講談社コミッククリエイト編、講談社〈KODANSHA Official File Magazine〉、2008年、14頁。ISBN 978-4-06-370039-8。
- ^ 水木しげる 『妖鬼化』1、Softgarage、2004年、77頁。ISBN 978-4-86133-004-9。
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